海洋総合辞典 Comprehensive Ocean Dictionary, 特選フォト・ギャラリーPhoto Gallery, コククジラ骨格gray whale skeleton, 水産資料館・鯨ギャラリーwhale gallery, fisheries museum, 東京海洋大学海洋科学部University of Marine Science and Technology, Faculty of Marine Science

一枚の特選フォト⌈海 & 船⌋


One Selected Photo "Oceans & Ships"

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コククジラの骨格標本

東京海洋大学海洋科学部付属水産資料館「鯨ギャラリー」に コククジラ (アジア系、western gray whale, Eschrichtius robustus、ヒクジラ亜目・コククジラ科・コククジラ属) の全身骨格が展示されている。

展示説明書きには次のように記されている。

      「コククジラはヒゲクジラ亜目コククジラ科の唯一種であり、現生種は北太平洋のみに生息する。体長は、雄13m、雌14mに達し、 最長寿命は70歳程度と推定される。ハクジラ類も含め、最も沿岸性の強い種の一つであり、冬季には低緯度海域に繁殖回遊、 夏季には高緯度海域へ索餌回遊する。北太平洋の東西に明瞭に分離した二系群が認められ、北米側のカリフォルニア系群 (東系群) は冬季にバハカリフォルニアで繁殖し、夏季にはベーリング海やチュクチ海へ索餌回遊する。かつては甚だしく 資源減少したが、現在ではほぼ満限状態の26,300頭にまで回復している。

    一方、アジア側に生息するアジア系群 (西系群) は冬季に中国海南島周辺で繁殖、夏季にはオホーツク海に索餌回遊し、我が国周辺には 索餌回遊、繁殖回遊の途上にごく稀に出現する。 資源量推定値は僅か121頭であり、全鯨類85種のなかでも最も絶滅の危機に瀕する鯨種系群の一つである。

      展示個体は、2005年7月15日に宮城県女川町江島沖の大型定置に混獲された親子連れの母鯨で、体長は12.79m、記録上では 戦後我が国周辺に出現した最大の個体であり、現在国内に所蔵されているその他のアジア系コククジラ骨格を大きく 上回っている。、、、、、、本系群のレンジステイトである中国、ロシアにはコククジラの成体全身骨格標本は無く、米国には 1912年に韓半島蔚山で採集された体長12m程度の雄成体骨格二個体が保存されている他は成体全身骨格の存在は 確認できない。したがって、現在では唯一のアジア系コククジラ雌成体骨格標本と認識される。、、、、、、2010年4月5日」 (一部省略)。

    * 蔚山(うるさん): 韓国南東部にある釜山の北50kmほどのところにある都市で、かつて捕鯨業で栄えた。市内には鯨の博物館 「長生浦コレ(クジラ)博物館 Jangsaengpo Whale Museum」がある。 博物館訪問関連サイト

[2011.12.22.東京海洋大学・海洋科学部・付属水産資料館「鯨ギャラリー」にて]
[拡大画像: x24336.jpg][拡大画像: x24844.jpg: 説明書き]

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1. [拡大画像: x24841.jpg]
2. [拡大画像: x24842.jpg]
3. コククジラの模型。 [拡大画像: x24843.jpg]


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