一枚の特選フォト⌈海 & 船⌋
英国人ブルネル設計の「グレート・ブリテン号」(5)/操舵装置の模型
英国ブリストルにて建造された、人類史上初の全鉄製で、かつスクリュー・プロペラを装備した近代的外洋航行船
「グレート・ブリテン号」 (ss Great Britain)。
進水したのはまさに現在泊渠しているドライ・ドックからで、1843年7月19日のことである。
英国人土木・船舶設計技師のアイザンバード・キングダム・ブルネル (I. K. Brunel) が設計したものである。
ブリテン号は近代的な船の先駆け的存在であり、当時としては世界最大でもあった。 画像は、ブリテン号に併設された展示館での、ブリテン号の、電気式でも電動油圧式 (electro-hydraulic) でもない 機械式操舵システム (mechanical teering gear/system) を紹介する本格的な模型である。 この大型模型を通してブリテン号の操舵メカニズムをシミュレーションできるようになっている。 本物の舵輪を回転させてブリテン号を日没の太陽の方向に船首を向けるように音声で指示される。子供たちは、 自身の背丈より大きい舵輪を回転させながら、トライ&エラーを繰り返し、操船体験をする。
舵輪 (ship's wheel) を回転させると歯車が回転する。
歯車と一体になった胴巻 (ドラム) が回転し、それによってロープが上下運動する。ロープには滑車が組み込まれていて、
舵輪の回転に必要な力を軽くしてくれる。ロープの上下動は水平動に変換され、舵腕 (舵軸(stock)上部の取っ手部; tiller arm) を左右に
動かし、その舵軸下方に付いている舵板 (rudder plate) を左右に振らせることになる。
実際のブリテン号では、このシステムは時間の経過とともに修正されていった。
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