漁業技術の画像集・FishTech
著作者/水産大学校名誉教授・理学博士 前田弘
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第 5 部 16 タイ南部における漁業 [ 1 ][ 2 ] 1984年11月から85年1月までタイ南部のSongkhla(ソンクラ)にあるNICA(National Institute of Coastal Aquaculture)に派遣された。以下はその際に撮影した写真を取纏めたものである。このCDにはSongkhla・Terutao・ Phuketの3つの地域の写真が含まれる。SongkhlaはSiam湾における底曳漁業、後の2つの地方はAndaman海における 浮魚類を対象とした巻き網漁業と、主な漁獲対象と漁法が異なる。しかし、その根底には共通点が多い。 SongkhlaはMalaysiaの国境に近く、タイ南部における漁業の最大の根拠地である。街はSiam湾とSongkhla湖に 挟まれ、漁船は波が静かなSongkhla湖に繋留してあり、狭い水道を通ってSiam湾に出漁する。その漁獲物は、鮮魚 として国内向けの他に、遠くはSingaporeまでトラックで輸送される。 Siam湾における底曳網の漁獲物は、底曳網漁業の発展に伴って小型化し、いわゆるtrash fishが増えたことが 問題になっている。しかし、trash fishはタイ南部の各底曳漁業の基地付近で行われている養魚の餌として消費 される。 Songkhlaにおける漁業は独特な型の船(以後、仮にタイ式トロール船と呼ぶ―オッターボードを使うので、 たしかにトロール漁業であるが、我々がトロールと呼ぶ漁業から程遠い)で行われるトロール漁業で代表される。 しかし、漁船の中には、曳網法が異なる船と巻き網船が混ざっている。これらはタイ式トロール漁船と船型がよく 似ているので、区別しにくい。 その他にも、SongkhlaのSiam湾側には、船全体を唐草模様で飾った船、水中を歩いて網を曳く漁業、舟を使わずに 行う刺網、投網のような、近代では考えられないような漁業がある。また、Songkhla湖にはタイ式トロールで揚げ られたtrash fishを利用した養魚があり、周辺には自家消費向けの淡水漁業が見られる。 滞在中にTerutao島とPhuket島を見学した。これらの島はAndaman海に面し、その漁業は巻き網を主体とする。 この漁業も独特の形態を取る。 Songkhlaにおけるトロール船では、トロールウインチに相当する装置が見られない船があり、ワープの処理法が 分からなかった。しかし、Terutao島に渡るSatunにおけるトロール船には人力でワープを巻くドラムを備えてあった。 また、これらの地方では船で押すサデ網が見られた。これらの写真を付加えた。
このCDにはそれらを次の4つのファイルに分けて入れてある。 1. Songkhlaにおける漁業 1.1 タイ式トロール等
No.1
No.2
No.3 No.1−No.3 Songkhlaに停泊していた船団の概要を示す。それらの詳細はNo.4以後に示す。 No.1 多数の船が写っている。大部分はタイ式トロール船であるが、中には巻き網船が混ざっている。両者は 基本的には次のようなタイの漁船の特徴を備える。頑丈な作りの木造船で、幅が広く、前に広い作業甲板を 取ってある。乾舷は低く、船室は水線上の後部の1/2から1/3にあり、数層に分かれるが、1層の高さが低いので、 全体としてあまり高くない。 これらの点はほとんどの漁船に共通している。したがって、タイ式トロール船と巻き網船は見分けにくい。 大体の目安として、前から見たときは高い見張台が見られるのが巻き網船、それが見られないのがタイ式 トロール船である。 塗装にはタイにおける漁船の特徴が見られる。一見カラフルのように見えるが、その基本はタイの国旗に 使われる赤・白・紺色の3色よりなり、2つの基本形がある。その1つは、白を基調とし、乾舷上端・ ブルワークトップやその他の縦走材を空色に塗る方式である。もう1つは、乾舷は緑か紺色、その上端・ ブルワークトップその他の縦走材を赤、ブルワークその他の壁面は白に塗る方式である。 No.2 この写真に見られる船はNo.1に見られる船より小さい。タイ式のトロール船は船尾から見ると、前景に 示すように、ギャロースとトップローラがあるので、見分け易い。船幅は広い。これらの船は氷の積込みを 待っている(漁獲物を降ろし、氷を積込む前なので、喫水は最も浅い状態に近い)が、乾舷は低い。操舵室 より後の船室はあまり高くない。しかし、それでも3層に分かれる。操舵室は上の2層分の高さをとる。 タイの漁師は信心が深く、Songkhla湖の出口を通過する直前に一時停船して爆竹を鳴らして悪霊を追い はらったり、仏にささげるリボンの房を船首に着ける。ほとんどの船にはそれが残っていた。 中央やや左の空色の船は巻き網船らしい。このように、巻き網船とタイ式トロール船では基本的な船型は 似ている。 No.3 タイの漁船に見られるもう1つの特徴は、船首付近に太い木製のマストのあることである。それが 見られる。右端には木製平板のオッターボードとトップローラーが見られる。 タイ式のトロール船
No.4
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No.24 No.4 基本的な船型と塗装は典型的なタイ式のトロール船である。中央の船はレーダを装備している。 しかし、レーダは当時のタイの漁船にはあまり普及していなかった。 No.5 左の2隻は典型的なタイ式トロール船である。右端の船は、船尾にギャロースとオッターボードが 見られない。その代わりに操舵室の上に見張台があり、したがって巻き網船と考えられる。右端に見られる 製氷所の桟橋に積まれている物は、巻き網用の浮子である。 No.6 タイ式のトロール船の特徴は船尾から見るとよく分かる。乾舷が低く、船室の後面には大きな 出入口が開いている。この付近が炊事場になる。ここから中を通して操舵室まで見通せる。この出入口を囲む ように、鳥居型の構造物がある。左から2隻目と右端の船ではオッターボードが見られる。(左から2隻目 では船外に下げられ、右端の船では炊事場の壁まで揚げられている)。オッターボードは木製平板である (これは他の船でも同じ)。巻き網船に比べるとタイ式のトロール船は乗組員が少ないので、船室は2層 である。左端の船では、船首にリボンの房が付いている。 No.7 塗装は標準型 タイ式トロール船としてはやや大型に属し、無線電話を装備しているらしい。 しかし、レーダは見られない。Songkhlaの漁船には両者ともあまり普及していなかった。 No.9−No.10 これまでに示した写真は前方または後方から見た写真である。これは横から撮った写真で、 タイ式トロール船特徴が分かる。操舵室より前の作業甲板は広い。右から2隻目の船は無線電話を装備している。 No.10 船首近くにあるマストは太い木製であるが、そのブームは鉄製であり、甲板に揚がった網はこれに よって操作される。右から2隻目の船は船室の後端上部に張出があり、No.25―No.28に示した型であると考えられる。 No.11 操舵室の前にワープを巻くドラムが見られる。これは当然どの船にもある筈だが、これまでに示した 写真には見られなかった。後からでてくる写真でも、これが写っているものは少ない。マラッカ海峡で操業 するタイ式のトロール船(Terutao島周辺における漁業のNo.25―No.31)では船室の上の船尾付近に人力で ワープを巻くドラムが見られるが、Songkhlaの漁船では、それに類するものは見られなかった。 No.12 小型のタイ式トロール船の構造が分かり易い(たとえば、木製の太いマストが著しく前方にあること)。 木製平板オッターボードは赤く塗ってある。No.9では赤と白に塗り分けてある。その理由は分からない。 No.13 船尾の構造が良く分かる。船体は幅が広く、低いが、水線上の船室は幅が狭い。炊事場の横に オッターボードが揚げられている。ギャロースはあまり頑丈な造りでない。あまり大きな船でないが、 無線電話を持っている。これまでに示したほとんどの船では、漁獲物は木の箱に入れていたが、この船は プラスティックの箱を使う。 No.14 やや大型である。したがって、これまでに示した船では、船室は2層であったが、この船では4層 になる。 No.15−No.16 あまり大きくない。船室は3層である。オッターボード・ギャロース・トロールウインチが 分かり易い。 Songkhlaにはレーダを備えた船は少なかったが、この船では備えている。 No.17−No.18 手前は船首につけた飾りの房である。リボンだけの飾りは多いが、このような造花を組込んだ 飾りも見られる。 これまでの写真にはトロールウインチはほとんど写っていなかったが、この写真にはトロールウインチと ワープのガイドローラが写っている。レーダを備え、プラスティックの魚箱を用いる等Songkhlaにいる船の中 では進んだ船であるとみなせる。船室は3層で、大型船の部類に入れられる。 No.19 タイは仏教国で、国民は信心が深く、漁船の操舵室には仏壇がある。計器類はあまり多くない。 No.20 操舵室より船室を見る タイの漁船では、船室は2層から4層と多い。それぞれの層は、腰を曲げて やっと歩ける位の高さで、仕切のない板の間である。操舵室から機関室が見られる。 No.21 市場に着岸しているトロール船 trash fishは船内ではバラ積みにされ、カゴを使って人力で揚げられる。トロールウインチが見られる。 網はあまり大きくない。 No.22 この船はオッタートロール船であるが、作業甲板は船尾にある。網とワープが見られる。 No.23 オッタートロール船であるが、伝統的と異なり、作業甲板は後部にある。したがって、船首の近くに あったマストは船室の後に移される。 No.24 左の船は本来トロール船と考えられるが、ボンデンが見られるので、他の業種に従事していると 考えられる。右の船は、船尾と船首にブーム(網を巻いてあるように見える)を備え、他の業種に従事していると 考えられる。白い船はトロール船であるが、伝統的と異なり、作業甲板は船尾にある。 その他の底曳網漁船
No.25
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No.28 No.25からNo.28までに示す船は、漁船の船溜りのはずれにかたまって見られた。 No.25−No.28 この型の船を横から写した写真で、特徴が分かる。すなわち、操舵室の前端を軸とする 丈夫な木製のブームがあり、船体に沿って取込まれているが、横に張出せる。その付け根付近にワーピング エンドがある。船尾にはタイ式トロール船の特徴である鳥居型の構造物があり、オッターボードが見られる。 船室の上には魚箱の代わりにカゴが載っている。タイ式トロール船の特徴である船首近くの太い木製のマスト は見られる。 No.25 船室の後端上縁にあるワープをかけるための張出 中央の船は船室の屋根に魚箱やカゴのような 漁獲物を入れるものを載せていない。電球がたくさん付いた細いブームがあるので、巻き網船に付属する 灯船である。 No.27 張出しブームの支柱と支索を示す。 網作業
No.29
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No.34 No.29−No.34 グランドロープ・ヘッドロープ・筋綱の入れ方等を示す。袖網とコッドエンド以外は同じ ような網地で作られている。 巻き網船 巻き網は、Andaman海側における主要漁法の1つである。しかし、Songkhla湖はSiam湾に開いており、 そのために巻き網船は少ない。
No.35 No.35 ドック中の船 前の船はトロール船の可能性があるが、後の船には見張台があり、巻き網漁船と 考えられる。 魚市場 町の中にある市場で魚を売っている店は後で示し、ここではSongkhlaの漁船の水揚げ場付近について記す。
No.36
No.37
No.38
No.39
No.40 No.36 trash fishは船ではバラ積みにされている。それをそのままトラックに積み変えて、近くの養魚場に 運ぶ。Songkhla湖の養魚場には小舟で運ばれる。 No.37 トラック一杯に積まれたtrash fish No.38 エビはここで皮をむかれる。(乾エビは別のところで乾される)。 No.39 trash fishを運ぶトラック No.40 SongkhlaはMalaysia国境に近い。したがって、食料になる魚は冷凍トラックで遠くはSingaporeまで 運ばれる。このトラックは2カ国のナンバープレートをつけ、フロントグラスにはThailand・Malaysia・ Singaporeと書いてある。
No.41
No.42 No.41−No.42 漁港近くの漁具資材店 1.2 唐草模様で飾りたてた舟 Songkhlaの町の南端に、Siam湾に面した沿岸漁村がある。ここの漁船は他のところの漁船と全く異なり、 綺麗な装飾が施されている。Songkhlaは観光地でない。したがって、これらの漁船は観光客相手でなく、 稼動中の漁船である。刺網を使う。推進はタイの各地で見られるいわゆるlong tail engine(No.8以後に示す)が 使われる。 漁獲物は地元でクサヤに似た干物に加工される。
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No.11 No.1 船の全景 手前のカメは、クサヤを作るための醗酵させた濃い塩水を入れておくためである。 No.2 transom sternとpointed sternの船がある。装飾は、唐草模様を基調とし、一部、船首と船尾に風景画を 画いた船もある。装飾は舟の本体だけでなく、仕切り板にも彫刻をした板が使われる。 No.3 船全体に唐草模様(右端)、船体は唐草模様で飾るが、船首に風景画を画いたもの(右から2番目と 3番目)、船体には模様を画いてないが、船首の飾りだけが残っているもの(右から4番目と5番目)等、 変化に富む。手前はクサヤに似た干物を乾す台 No.4からNo.11までに写っている船でも、舟によって唐草模様の範囲が異なる。 No.4 カバーをかけてあるのは、long tail engine (陸上用の機関から長いシャフトを伸ばし、その先端に プロペラを付けた装置、1.6 Songkhla湖における漁業のNo.9に使っている様子を示す) の機関部 右から 4隻目の船には見張台があり、そのマストにも飾りがついている。
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No.8−No.11 船首は立上がっている。Long tail engineの長さと推進器付近の構造が分かり易い。背景は モスレムの集落である。 1.3 水中を歩いて網を曳く漁業 「1.2唐草模様で飾りたてた舟」が見られた近くの、Siam湾側の砂浜で行われていた。 2人の漁師が網を持って首近くの深さまで海に入り、約20分間海岸に平行に海中を歩きながら網を曳き、 網を曳きながら陸に上がってくる。
No.1
No.2 1.4 舟を使わない刺網漁業
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No.6 No.1 Sonkhla湖の入り口近くのSiam湾岸に、1ヵ月近くこのようなテントが見られた(ちょうど雨季が終わった ころである)。ここには1人の漁師が住んでいた。 No.2−No.4 この漁師は数反の刺網と支柱を持って海に入り、胸の深さ位のところに支柱を立て、腰の深さ 位まで岸に近づき、そこから岸に平行に網を張る。 No.5−No.6 沖から順に数列の網を岸に平行に張る。一番遠い列でも岸に平行な浅瀬までで、一番近い列では 波打ち際になる。 1.5 投網・採集
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No.15 No.1 SongkhlaのSiam湾側の砂浜では、数人が組になってカニを採集する。一部は自家消費に向けられる だろうが、販売を目的とするので、何も道具を使わない小規模漁業の例としてあげる。 No.2 その採集物は砂浜に穴を掘り、濡れた海藻とともにを入れて、上に履物を置いて蔭を作る。 No.3−No.8 投網 (雨季で増水した川口で流されてきた魚を狙う。) No.6の背景は、「1.2 唐草模様で 飾りたてた舟」と「4.タイ南部における水産物の利用と加工のNo.18―No.24」に示したクサヤを作るモスレムの 集落である。 No.9−No..15 数人の漁師が組になってSiam湾の波打ち際で投網をする。網は網元から借りて、漁獲物は網元 に売る。これも小規模漁業に含められる。 1.6 Songkhla湖における漁業
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No.15 No.1 日中にはSongkhla湖内に停泊していたタイ式のトロール船団は、午後になるとSongkhla湖の狭い水道を 通ってSiam湾に一斉に出漁する。その際、この写真の右端の近くで一時停船し、爆竹を鳴らして悪魔払いの儀式 を行う。(これは毎日行うと限らない。) No.2−No.6 湖岸には人家が多い。交通には舟を使う。その舟は、これらの写真に示すように、柵の間に 繋がれるか、少し水面から持ち上げて乾かされる。(日本でも、日本海沿岸の内湾―この地方では潮の干満の 差が小さく波は静かである―では同じような設備が見られる。)No.3とNo.5では、その様子が分かり易い。 No.5 舟は細長く、推進にはlong tail engineを用いる。(それを反対に向けてプロペラを船内に入れ、 エンジンにはカバーをかけてある。) No.6 湖畔にはマングローブ林がある。 No.7 湖畔の人家とマングローブ林 No.8 湖畔の人家では、小規模の漁業と養魚が行われる。 No.9 舟は幅が極端に狭く、長い。 No.10−No.13 エリと置き釣 湖内の所々にエリのような構造物があり、その垣網は小枝で作られている。 No.10 手前は垣網に似た構造物を示す。その他に1列に杭が並び、各杭から1本か2本の竿が斜めに上がって いるのを見かける。これは、置き釣と考えられる。 No.11 置き釣の竿の列に舟が近づいて作業をしているのを見かける。この写真から分かるように、舟は細長く、 乾舷はほとんどない。これが内水面で使われるの舟の特徴である。スピードは出るが、物を運んだり、大きな 漁具を扱うには適さない。
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No.23 No.15−No.23 湖内には多数の養魚場が見られる。(湖岸にも養魚場が見られる。しかし、環境汚染のような 自然条件でなく、盗難防止等の人為的要因のために、ほとんどの養魚場は岸から離されている。)餌にはトロール で漁獲されたtrash fishを用いる。見張小屋があり、そこで家族が生活する。タイには「海のジプシー」と 呼ばれる生活をする人達がいるが、それと異なる。海のジプシーの場合は、陸から近づけないような島影に足場を組み、 一生陸に上がらず、陸上の人達と交渉を持たないで、そこで数家族が生活する(これはPhuket島等で見られる)。 Songkhla湖内の見張小屋ではそのようなことはない。 1.7 小さな内水面で行う漁業 タイ南部の海岸沿いには、地形の起伏がほとんどない地帯がある。雨が降らなくても所々に浅い水溜りがあり、 雨季になると低地は水没する。そこで行われる漁業を示す。写真に撮れなかったが、用水路の落ち口に傘と同じ 位の四手網を持って、傘をさしながら落ちてくる魚を待つ婦人を見かけた。
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No.10 No.1−No.2 道路端の少し開けた水溜りで見かけた四手網 No.3−No.4 道路端の水溜りに設置された刺網 水の中を歩いて網を設置していた。刺網は水没した草地でも 使える数少ない漁法の1つだろう。 No.5 普通の人家の軒下に下げられている刺網 このように淡水域における刺網は生活の一部として 溶込んでいる。 No.6−No.10 先の「1.2唐草模様で飾りたてた舟」に示したモスレム集落に続く部分で、水のないときには、 ここでもクサヤに似た干物を乾す。 No.7 遠景の左の部分にはクサヤに似た干物を乾す台がみられる。雨季になって水がでてくると、このような ところでも刺網が張られる。画面下端近くに、刺網の浮子の列が見られる。 No.8 これはNo.7とほとんど同じところの写真であるが、歩きながら刺網を張っている。 1.8 カゴ等
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No.4 No.1−No.2 高さ約1m、竹と木で組まれた枠に網を張ったカゴは、小規模漁業で広く使われる。しかし、 カゴは使われているときには水中にあり、陸上ではあまり見かけないので、見落とす可能性が高い。 No.3−No.4 先に示したモスレムの集落では、カゴを作っていた。これと同じようなものはPhuket島の海の ジプシーの集落でも見かけた(Phuket島における漁業のNo.22) 1.9 その他の漁業 Songkhla水道の北側のSiam湾岸で撮影した写真をここに集めた。これらだけでは系統的に説明するのに 不充分であるが、これまでに示した写真の補足として欠かせないものもある。
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No.9 No.1 浅瀬では投網や舟を使わない刺網が行われていた。 No.2−No.3 ここの漁船はSongkhla湖で使われている舟に比べると耐波性に富む型である。しかし、小型舟では 推進は据え付け型の機関でなく、取り外しができるlong tail型である。 No.4 ここに示した船は稼動していない。タイ式のトロール船であるが、小型である。船尾には人力でワープ を巻くリールがある。この装置は、Songkhla湖に繋留してあった漁船ではみられなかった。木製の平板オッター ボードを使う。オッターボードには倒れないように浮子が付いている。船尾は、網を巻込まないように、 プロペラより十分後まで伸びている。これらの点は後で述べるTerutao島周辺のトロール船と共通している。 No.5 網を仕立てている No.6 サデ網 No.7 漁師の家族 No.8 魚肉だけを取りだし乾燥している。これは食用である。 No.9 残滓はアヒルの餌として完全利用が計られている。
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