画像は米国カリフォルニア州サンディエゴのダウンタウンのすぐ近くの岸壁に係留された「スター・オブ・インディア号」である。
同号は、英国リバプールのウェイクフィールド・ナッシュ&カンパニー社が乗り出したインドとのジュート (jute) 貿易のために、
1863年11月14日に、アイリッシュ海に浮かぶ英国のマン島 (the Isle of Man) のラムジー造船所(Ramsey Shipyards)にて建造された。
当時はまだ木製の船が主流であったが、同号は鉄製であった。3本マスト全てに横帆装置をもつ全装帆船 (full-rigged sailing ship)
であった。
「エウテルペー (Euterpe)」がもともとの船名であった。「エウテルペー」とは、ギリシア神話における文藝・音楽・舞踊などの
人間の知的活動を司る9の女神 (Muse; ムーサ、ミューズ) たちのうちの1女神である。エウテルペーは、笛をもち音楽・
抒情詩 (じょじょうし) を司る。船名のエウテルペーはその女神に因んで命名された。
1901年までは全装帆船であったが、それ以降は現在のバーク型帆装へと変更された。
合計6回にわたりインドへの航海を行なった。最初の航海では他船との衝突や反乱に遭遇したり、また2回目の航海ではひどい
サイクロンに見舞われるなど、受難続きとなった。
同号が1871年に売却された後にあっては、半世紀にわたって、英国から主にニュージーランドへ英国人移民を運ぶ航海に就役した。
この就航サービスで21回も世界周航を果たすという航跡を残した。ニュージーランドへの最速の航海日数は100日間であった。
また、最長の日数としては143日間であった。
「エウテルペー号」が1901年にサンフランシスコにあるアラスカ缶詰業者協会に売却され、バーク型帆船へと再装備され、
1902年から漁業従事者、缶詰工場のための労働者や資材などをアラスカへ輸送し、復航にはサケ缶を満載してカリフォルニアへ
帰投するという任務に就いた。
そして、1906年には同協会は船名を「スター・オブ・インディア号」に変更した。22回にわたるこのアラスカ航海の後、
1923年には就役を止めドックにしまい込まれた。そして、1926年になって、当時計画中の博物館・水族館の呼び物として
サンディエゴ動物協会へ売却された。
しかし、大恐慌と第二次世界大戦のため1957年まで頓挫してしまった。その後紆余曲折を経て、1976年になって、同号に再び海で活躍する
機会が巡って来た。
米国で水に浮かぶ最も古い3隻の船、即ち「USSコンスティテューション号(1797 USS Constitution)」、「C.W.モーガン号
(1841 Charles W. Morgan)」、「USSコンステレーション号(1854 USS Constellation)」に次いで、「スター・オブ・インディア号
(1863 Star of India)」は4番目に古い船である。また、定期的に帆走する世界の帆船のうち2番目に古い船でもある。
同号の船体、キャビン、装備のほとんど100%がオリジナルである。
[参照] サンディエゴ海洋博物館「スター・オブ・インディア号」ホームページ http://www.sdmaritime.org/star-of-india/
画像の撮影は1975年夏期に行なったものである。同号が再び海に向けて出帆し岸を離れたとされる1976年の前年に当たる。
同号は2013年12月現在でもほぼ同じ場所で係留され公開されているはずである。少なくとも2008年7月30-31日の時点ではそうであった。
[2013.12.20 記][拡大画像: x25502.jpg]
辞典内関連サイト
・ 世界の海洋博物館
・ 米国の海洋博物館
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