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中米ニカラグア国の「100年の夢: 太平洋・大西洋間のニカラグア地峡をまたぐ運河の建設」。
2013年6月14日、ニカラグア政府と香港系企業との間で、ニカラグア
運河の設計・建設・オペレーション・維持管理の事業権 (コンセッション) に関する協定が締結された。
ニカラグア政府はかつて2004年8月に、「ニカラグア大運河計画概要書」(当時スペイン語公式サイトにて)を発表した。
概要書(和訳/部分的)は、ニカラグア運河建設のプレ・
フィージビリティ (実現可能性) 調査の結果を取りまとめたものである(技術・工学、法律、環境、財務的分析を扱う)。
最大25万重量トン級船舶の通航が想定され、6つの運河ルートが比較検討された。推奨ルートとして (上記図のルート③)、
カリブ海側のククラ川→ エル・ラマ川上流→ オヤテ川→ ニカラグア湖→ ラス・ラハス川→太平洋側ブリット川を結ぶ、
総延長距離286km (パナマ運河の3倍以上) に言及する。
今年2013年にして、ニカラグア政府ダニエル・オルテガ大統領は、6月14日に、香港系企業の「香港ニカラグア運河
開発投資会社」(略称「HKNDグループ」)のChairman Wang Jing会長との間で、
運河およびその他のプロジェクト(「ニカラグア運河&開発プロジェクト」と称される)に関する立案・設計・建設・オペレー
ション・維持管理などの事業権を取り決める、
排他的商業協定に調印した。その他のプロジェクトには鉄道、港湾、自由貿易区、国際空港、原油パイプライン等のインフラ開発
整備が含まれる。事業権の付与期間は今後最大100年間である。
ニカラグア議会は、調印前日の6月13日に、同協定の締結について承認した。
協定締結によって、ニカラグアの積年の夢の実現に向けた第一章の1ページがめくられた。ニカラグア国民にとって記念
すべき歴史的な日といえる (真の記念日となるかは今後の推移と歴史的評価を待たねばならないが)。
今後、パナマ運河に次ぐ中米地峡第二の運河の本格的なフィージビリティ調査の実施、環境・社会的影響評価、ルートの最終選定、
特に大西洋側地域での閘門および閘室(船舶の昇降のための水の階段)のオペレーションに欠かせない巨大水源 (ニカラグア湖+
その他の人工堰き止め湖など) の技術的可能性調査、船舶通航予測の精査、数兆円に及ぶ巨額の資金計画、
事業の長期収支バランス (建設・運営等の歳出と通航料等の歳入) などに関して、今後の進捗状況や見通しに強い関心が払われる
ことになる。
HKNDグループは、天然の大水源であるニカラグア湖から流れ下る大河サン・ファン川 (コスタリカと国境を接する)
を経るルート (上記図のルート⑥のことと思料される) ではないことは既に決定済みであるとしている。
今後運河建設の実現に向けどのような工程を進み行くのか、HKNDグループの取り組みは如何様になるのか、注視して行きたい。
[2013.7.5 記]
* 年間定期購読誌「選択」(2013年7月号、No.461)の記事: 「中米新運河」建設を狙う中国 - 米国の「裏庭」を掻き乱す戦略 -
* サイト内のニカラグア運河関連サイト: 「ニカラグア
運河 Nicaragua Canal」
* 「香港ニカラグア運河開発投資会社」、同社とニカラグア運河については、Googleにてキーワード「HKND」検索。
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