一枚の特選フォト⌈海 & 船⌋
マレーシア・マラッカ市の「海洋博物館」
&
ナウ型復元帆船「フローラ・デ・ラ・マール号」
[マレーシア・マラッカ]
マレーシア・マラッカ市の「海洋博物館 (Muzium Samudela, Maritime Museum)」 & ポルトガルのナウ型復元帆船
「フローラ・デ・ラ・マール号 (Flora de la Mar)」 海洋博物館にはポルトガルのナウ船「フローラ・デ・ラ・マール号」(左画像) をモデルとした復元船が展示されている。 フローラ号はマラッカからインドのゴアに向け帰航の途に就いたが、1512年6月26日、マラッカ王国から略奪した 財宝などをも満載したままマラッカ海峡にて沈没した。
博物館では、マラッカの海洋史を7つの時代区分にて展示する: 右画像はフローラ号船内展示の一つで、マラッカはかつて80以上の異なる言語を使用する人々で溢れ、絹織物、陶磁器、 香辛料などの交易品が活発に取り引され、繁栄を極めた。中国・明代の1405~1433年の間に、海軍提督・鄭和 (ていわ) は計 7回にわたり南海 (インド洋方面) に大型木造艦船60隻余、1万数千人の 大船隊を率いて大遠征を行なったが、マラッカにも5度寄港し、マラッカ王国に明への朝貢を取り計らったとされる。
フローラ号入り口の銘板には次の文言が記されている。「The museum serves as a reminder that once the
political power is lost, everything else is lost. 政治的なパワーがひと度失われると他の全ての
ものが失われる、ということを本博物館は記憶に留めるものである」。 440年間以上も外国に政治支配されたマレー民族の想いが結晶した
含蓄ある格言的一文である。 |