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一枚の特選フォト⌈海 & 船⌋


One Selected Photo "Oceans & Ships"

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古墳時代の船形埴輪 [大阪歴史博物館]

画像は大阪歴史博物館に展示される2種類の船形埴輪である。 大阪市平野区の長原遺跡・高廻り1,2号墳 (ancient Takamawari Tombs in the Nagahara Tomb Cluster) で発掘された 古墳時代中期・4世紀末~5世紀初の埴輪である。説明書きによれば、 船形埴輪は5世紀前半の例が多く、いずれもが船底に丸木舟を用い、舷側に板材を組み合わせた準構造船となっていた。そして、 船の両端が二股に分かれる二体成形船(高廻り2号墳例、手前の埴輪)と、船底の突出をなくした一体成形船(高廻り1号墳例、右奥の埴輪) とが存在した。




画像(手前)は高廻り2号墳の船形埴輪(レプリカ)である。説明パネルには次のように記される。
    「高廻り2号墳 船形埴輪(ふながたはにわ) Boat-shaped Haniwa from the Takamawari Tomb 2, Late 4th C.
    重要文化財 古墳時代中期; 4世紀末葉 大阪市平野区 長原遺跡 文化庁蔵
    船首と船尾が上下に二股に分かれた準構造船をかたどる。舷側上の4対の突起はオールの支点である」 [拡大画像: x26196.jpg:  2号墳説明書き]
画像(右奥)は高廻り1号墳の船形埴輪である。説明パネルには次のように記される。
    「高廻り1号墳 船形埴輪 Boat-shaped Haniwa from the Takamawari Tomb 1, Early 5th C.
    重要文化財 古墳時代中期; 5世紀初頭 大阪市平野区 長原遺跡 文化庁蔵
    2本の脚台上に両端が大きく反り上がった船体をのせる。両舷をまたいでハート形の隔壁が取り付けられている」  [拡大画像: x26197.jpg:1号墳説明書き]




また、次のような「古代難波の序章/難波と海」についてのパネル説明書きが添えられている。
    「難波(なにわ)と海: 難波は瀬戸内海路の発着点であった。西日本地域だけでなく、朝鮮半島や中国大陸からさまざまな人や物が、 難波の地に集まった。 また、上町 (うえまち) 台地の東側には「草香江(くさかえ)」とよばれた波穏やかな水域が広がっており、難波は水上交通の 要として繁栄した。高廻り古墳群の船形埴輪はそれを象徴するものといえよう。」
    [拡大画像: x26198.jpg: 日語説明書き][拡大画像: x26191.jpg: 英語説明書き]

[2014.10.8 大阪歴史博物館にて][拡大画像: x26190.jpg]

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1. 高廻り1号墳の船形埴輪。 [拡大画像: x26200.jpg]
2. 高廻り2号墳の船形埴輪。 [拡大画像: x26199.jpg]

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3. 2種類の船形埴輪。
  大阪歴史博物館に展示される2種類の船形埴輪の説明書き。

    「船形埴輪は5世紀前半の例が多く、いずれもが船底に丸木舟を用い、舷側に板材を組合わせた準構造船である。船の両端が二股に分かれる 二体成形船(高廻り2号墳例、左下写真)と、船底の突出をなくした一体成形船(高廻り1号墳例、右下写真)とが存在した」。  [拡大画像: x26194.jpg][拡大画像: x26195.jpg: 説明書き]
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4. 古代船の実験航海: 1989年は大阪市ができてちょうど100年目。それを記念し、高廻り2号墳から見つかった埴輪を基に 古墳時代の船を復元し、古代船「なみはや」が建造された。大阪から韓国・釜山までの実験航海を行なった。  [拡大画像: x26192.jpg][拡大画像: x26193.jpg: 説明書き]

* 辞典内関連リンク: 舟形埴輪から復元された古代船 「なみはや」 [大阪海洋博物館「なにわの海の時空館」]
* 画像1~4: 大阪歴史博物館


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