一枚の特選フォト⌈海 & 船⌋
キューバの海&文豪ヘミングウェイ(3)/愛艇「ピラール号」 (模型) [キューバ]
米国人の文豪アーネスト・ヘミングウェイ (Ernest Hemingway) は、12年間ほど生活拠点にしていたフロリダ半島南端沖の
キー・ウェストから、1939年にキューバの首都ハバナに移り住んだ。それ以来1960年までの21年間ほど、この常夏の国で過ごした
(彼の生涯のうちのほぼ3分の1をキューバで過ごしたことになる)。 ハバナ郊外のサンフランシスコ・デ・パウラ(ハバナの東方14㎞ほどにある)という小漁村近くの丘の上に邸宅を構えるまでは、 ハバナ旧市街にある ⌈ホテル・アンボス・ムンドス(Hotel Ambos Mundos)⌋ を定宿にした。5階の511号室が 彼の部屋であった。 部屋からは旧市街の街並み、外海からハバナ港に通じる運河、その運河をはさんて対岸の丘の上に建つカバーニャ要塞やチェ・ ゲバラ第一邸などを望見できる。同室は現在も一般公開され、彼のタイプライター、釣り具、手紙類などが展示されている。 彼は1930年代の10年間ほどこのホテルに住み暮らした。 郊外の同邸宅に移り住んだヘミングウェイは、そこで ⌈老人と海 (The Old Man and the Sea, El Viejo y el Mar) ⌋ を執筆 した。出版されたのは1952年のことである。 彼は自身のほとんどの作品を1920年代中期から1950年代中期にかけて書き上げたが、⌈老人と海⌋はそのうちでも 晩年に近い小説となった。 翌1953年にピューリッツアー賞を受賞した。そして、1954年にはノーベル文学賞を受賞した。⌈老人と海⌋はそのノーベル受賞に 大きく貢献するものとなった。 画像は、定宿にした511号室に飾られた彼の愛艇「ピラール号」の模型である。彼は愛艇をハバナ東方の漁村コヒマルの港に停泊させ、 数え切れないほどメキシコ湾沖へと大物釣りに出掛けた。愛艇の船長はキューバ人漁師のグレゴリオ・フエンテスであった。 [2015.2.2-17 カナダ&キューバの旅/ホテル・アンボス・ムンドス展示室 (511号室) 訪問 2015.2.6/2015.3.29 記] [拡大画像: x26685.jpg] |
1 2 1. ハバナ旧市街の目抜き通りの一つであるオビスポ通り(Calle del Obispo)に面したホテル「アンボス・ムンドス」 (直訳すれば、両方の世界という意味)。写真に写る5階角部屋 (511号室) を彼の住まいとしていた。6階の屋上テラス&バーからも 旧市街の街並みを一望できる。 [拡大画像: x26686.jpg]
2. ヘミングウェイが毎日のように511号室から眺めたであろうハバナ市街風景。左の建物はオビスポ通りに面する市立博物館
(旧スペイン総督官邸)、その先の樹木が茂るところがアルマス広場(Plaza de Armas)である。
写真上端の樹林に覆われた小高い丘の手前に運河があり、左方向に外海、右方向にハバナ港(Bahia de La Habana)がある。
その丘の上にはカバーニャ要塞、チェ・ゲバラがかつて執務したゲバラ第一邸などがある。
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