一枚の特選フォト⌈海 ＆ 船⌋

横須賀造船所 [横浜・外国人墓地資料館]

画像は、横浜の外国人墓地資料館に展示される写真の一つで、昔の横須賀造船所 (Yokosuka Arsenal) を写している。 キャプションによれば、遠方右部に細長く左右に伸びる建物が製鋼所 (創建当時は製鉄所・製鋼所であった) である。その左部に引き揚げ 船台 (屋根が斜めになっている) と官庁が写る。それらの背後には、フランス人首長のヴェルニー以下、フランス人技術者たちの 官舎、教会・集会所などがあった。写真には、"Known as the iron works, and later the navy yard."　と註書きされている。 造船所の建設については、江戸幕府がフランスと提携して1865年 (慶応元年) に着工した。その後時代は変わり明治政府の世となった。 明治政府は、紆余曲折を経て、計画を廃することなくそれを引き継ぎ完成させた。首長ヴェルニー以下、Edmond Auguste Bastien、Pierre Huetら 多くのフランス人技術者が働いていた。外国人墓地内には彼らのお墓や記念碑が残されている。 日本の工業近代化の礎を築いたこの横須賀製鉄所は、造船所へ、さらに海軍工廠へとその名は変わって行った。 [2016.8.11 横浜・外国人墓地資料館にて; 写真は横浜開港資料館所蔵の彩色写真から複製されたものである] [拡大画像: x27330.jpg]