一枚の特選フォト「海 & 船」
縮尺10分の1の弁財船(その1)/「
[小型とは船板図の通りに組み立てられた、造船に供するための模型]
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新潟県佐渡の南西部の小木(おぎ)半島の海岸沿いに位置する宿野木は、北前船の多くの旧船主・船大工らが暮らしていた裕福な集落であった。その宿根木に
「佐渡国小木民俗博物館」が建つ。復元された千石船「白山丸」の展示館も併設されている。画像は同展示館で陳列される縮尺
10分の1の弁財船の「幸栄丸」の「小型(こがた)である。
展示パネルによると、画像の小さな船模型は縮尺10分の1の弁財船「幸栄丸」ではあるが、模型は模型でも単なる普通のそれではなく、 「小型(こがた)」といわれるものである。和船を建造するに当たって、先ず板に10分の1の縮尺の設計図が描かれる。そして、 その板図(いたず)に描かれた通りに造られる模型がこの「小型」である。「小型」を造りながら、船大工棟梁と船主が協議しつつ建造 作業が始められる。「小型」づくりにおいては、本船と同様な手法や技術が使われる。 なお、この「小型」はハーフモデルになっている。模型は船首尾線に沿って右舷側半分が切り取られ、左舷側の内部構造を知ることができる ようになっている。
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[撮影年月日:2020.10.21/撮影場所: 佐渡国小木民俗博物館・千石船「白山丸」展示館/新潟県佐渡・小木町宿野木] |