北前船は、江戸時代中頃から明治時代中頃まで、大阪と蝦夷(北海道)を日本海岸沿いに結んで、その港々で商品を売り買いしながら、
その利ザヤを稼いでいた。現在の福井県坂井市の三国港でも、その昔北前船の船主が名を連ねていて、大いに繁栄していた。中でも、橋本利助が、
千石船ならぬ2400石積みの和船「春日丸」を建造したことが「北前船寄港地ガイド」(加藤貞仁著、無明舎出版、2018年)に記されている。
まさに北前船史上最大の巨船であったに違いない。
九頭竜川の河口域北側に細長く広がる三国の市街地を散策すれば、昔の港界隈の風雅な街並みが遺されている様をみることができ、かつての
栄華を偲ぶことができる。北前船の出入りで栄えたその昔、廻船問屋や商家の屋敷、土蔵、小料理店、遊郭など数多く建ち並んでいたという。
ところで、画像1&2は、九頭竜川岸北側に沿って走る「かもめ通り」の北のはずれでみつけた、越前がに専門料理店「越前・蟹の坊」の
越前ガニの超巨大な広告塔である。今にも家屋を乗っ取ってしまうかの様相である。
例年、北陸方面では、11月6日にカニ漁が解禁されるという。晩秋から春先まで三国港は活気づくことになる。
|