漁網を片付けて持ち帰るのであろう、漁師親子の姿をすばらく追った。
子供は何もしないでカヌーの艫(とも)にだらしなく横たわり、親が黙々と網整理するのをただ呆然と
眺めているだけ。
親が重い漁網一セットを担ぎ上げようとしたところ、子供はやおら立ち上がって助けようとした。
しかし、親の担ぎ上げる動作が速く何の手助けにもならず。
少しは気がひけたのか、網の片づけをみようみまねで始めた。
その後、親はようやくすべての網を荷車に積み上げた。
そこまで見届けなかったが、おかに上がった親子は二人して家路についたはずである。
それも今度は子供が荷車を押し、親はそれを後追いしながら。
おそらくそれが親子の間で暗黙に合意された当座の分担作業であろう。
[コリント港にほど近い、マングローブが生い茂る入り江にて]
* * * *
ニカラグア北西部の太平洋岸にコリント港がある。首都マナグアから陸路で150kmほどの距離である。
途中の主要都市はニカラグアの古都・レオン、それにチナンデガである。
かつてこの港から首都マナグアまで蒸気機関車による貨物輸送が行われていたが、1990年代初期に
廃止され、今では40フィート(ft)コンテナによる陸送が主体である。
コリント港は、数万トンクラスの大型コンテナ船も接岸でき、しかも大型ガンクレーンにて
40ftコンテナの積み降ろしができる極めて重要な港である。
[2008.09][拡大画像: x20097.jpg]
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