一枚の特選フォト⌈海 & 船⌋


One Selected Photo "Oceans & Ships"

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ニカラグア運河ルート・オヤテ川 & 刳り舟(丸木舟)

ニカラグア政府が2006年8月に公表した「ニカラグア両洋間大運河計画」(スペイン語名:"Gran Canal Interoceánico por Nicaragua (GCIN): Perfil del Proyecto")、そこには大西洋(カリブ海)と太平洋とを結ぶ、6つの運河ルート (有望な候補として)が記載されている。そのうちの 「ルートNo.1、No.2、No.3」の3つのルートが共通して通過する区間がある。その区間とは、(1)大西洋(カリブ海)に 注ぎ出るラマ川の中・上流部、(2)ニカラグア湖に注ぎ出るオヤテ川のほとんどの部分、および (3)ラマ川とオヤテ川との間にある分水嶺の山系区間である (下記「オヤテ川~ラマ川概略図」の緑色破線部分)。



オヤテ川踏査図: 1[拡大画像(x23146.jpg)] 2[拡大画像(x23147.jpg)] 3[拡大画像(x23148.jpg)] 4[拡大画像(x23149.jpg)]

オヤテ川~ラマ川概略図
オヤテ川とラマ川は交わることはなく、両河川は南北方向に並行してすれ違っているのが分かる。そのすれ違う辺りが ちょうど分水嶺になっていて、ニカラグア運河(ルート1、2、3)は海抜60~70mの緩やかなこの分水嶺山系区域を 通過することになる。 [拡大画像(x23145.jpg)] & Photoshop(x23145.psd)]



上記3つのルートが共通して通過するオヤテ川の上流部、さらには分水嶺近くを踏査することは大変興味深いものでる。少なくとも、 オヤテ川中流域における高みに登頂し、特にラマ川との分水嶺山系区間をできる限り遠くまで望み、その地形や河川の流れ などの自然状況を確かめようとした。

2009年8月22日(日曜日)、エル・オヤテ村およびエル・サポーテ村近傍の オヤテ川を予備的に踏査するとともに、本格的踏査のための馬の手配、カウボーイの同行依頼などを行った。その予備踏査時に、 エル・サポーテ村から最初に取り付いたオヤテ川岸の少し上流で見かけたくり舟(丸木舟)である。

エル・サポーテ村からこの川岸辺りまでの農道については、二輪あるいは四輪荷馬車でも十分通れる(ただし、雨期は ひどいぬかるみの道となる)。だが、その先はだだっぴろい放牧地内に獣道がある程度で、それも判然としないところが多い。5月~11月にかけての 雨期には、その獣道もひどいぬかるみとなる(馬の膝あたりまでの深みとなり、馬さえもぬかるみに脚をとられて悪戦苦闘する)。 また、雨期においてキャッチメント・エリアに雨が降り続いたり、集中豪雨に見舞われたりすると、川が激しく増水すること になり、そんな時には対岸に渡渉するのは危険となる。このくり舟はこの辺りの村人にとって、特に雨期において 川を横切ったり、川沿いに行き来するための足ともなる。ニカラグアでは今でも全国の地方部のいたるところでこのような 丸木舟、あるいは平底の渡し舟を見かける。

[2009.8.22 オヤテ川中流域の川岸にて][拡大画像: x23171.jpg]

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1. エル・サポーテ村から農道に沿ってオヤテ川岸へアクセス。その最初に取り付いた川岸から数百メートル上流の風景。 水嵩が少なく川底が見えている。岸に係留された丸木舟。 [拡大画像: x23172.jpg]
2. 何の継ぎ目も無く上手に刳(く)り抜かれている。刳り舟に乗ってみると分かるが、舟中に座り自分の上体を 少し傾けるだけでも、その重心が高い位置で左右に振れることから舟が即座に大きく傾くように感じられる。 慣れないうちは舟の意外な不安定さにびっくりする。 [拡大画像: x23173.jpg]

辞典内関連サイト
・ 世界の海洋博物館
・ ニカラグアの海洋博物館
・ ニカラグア運河 el Canal de Nicaragua


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