沖ノ鳥島のもつ海洋権益は大きい。1982年国連海洋法条約(1994年発効)に基づいて、「島」は最大半径200海里、すなわち1,852m×200海里
=370.4kmを半径とした排他的経済水域を設定することができる。その水域内では海洋資源・エネルギー開発などの
排他的な経済活動が可能となる。
「沖ノ鳥島の重要性と海洋法」と題する展示パネルでは次のような説明が記されている。[拡大画像: x23238.jpg]
沖ノ鳥島の重要性と海洋法
沖ノ鳥島の重要性
・ 沖ノ鳥島は、我が国の国土全体の面積(約38万km2)を上回る約40万km2もの排他的経済水域
をもつきわめて重要な島
*排他的経済水域:排他的経済水域を持つ国は、その水域内にある生物や鉱物などの資源を調査、開発、保存する権利を
もつことができる。
・ 周辺海域は、漁業資源が豊富で、漁場として有望
平成17年度の小笠原島漁業協同組合による漁業操業の実績や都の調査指導船「みやこ」の調査結果から、周辺海域には、
ビンナガ、クロカジキ、キハダ、メカジキなど、様々な魚がいることが分かってきた。
・ 周辺の海域にはコバルトやマンガン(いずれも特殊鋼の材料等に使用)など貴重な海洋鉱物があると考えられている。
・ 周辺の表面海水の温度が年間を通じて摂氏28度程度あり、深層の冷海水との温度差で発電する「海洋温度差発電」の適地
と考えられている。
<沖ノ鳥島は、様々な点で我が国にとって重要な島>
沖ノ鳥島と海洋法
・ 排他的経済水域は、「国連海洋法条約」に位置づけられる。
・ 同法第121条
第1項 島とは、自然に形成された陸地であって、水に囲まれ満潮時においても水面上にあるものをいう。
第3項 人間の居住又は独自の経済的生活を維持することのできない岩は、排他的経済水域又は大陸棚を有しない。
<沖ノ鳥島周辺の排他的経済水域を維持するため、島の管理保全と、経済活動が重要>
[2011.01.22.東京「船の科学館」での「沖ノ鳥島フォーラム2011」にて][拡大画像: x23194.jpg]
2011年1月22日、東京・江東区の「船の科学館」にて、「沖ノ鳥島フォーラム2011~沖ノ鳥島の利活用を考える~」
と題してシンポジウムが開催された。
主催は東京都産業労働局農林水産部水産課、協力は東京都漁業協同組合連合会、(財)日本海事科学振興財団、
「船の科学館」である。
フォーラムは、「沖ノ鳥島の海域は貴重な海洋資源に恵まれており、その利活用が重要な課題となっている。
このため東京都では、漁業操業に対する支援をはじめ、漁場の調査、資源の維持増大、漁獲物の販路拡大などに取り組んで
いる。沖ノ鳥島の重要性をより多くの方々に知っていただく」ことを目的として行われたもの。
プログラムは以下の通りである。
沖ノ鳥島に関する事例発表会
沖ノ鳥島の海洋観測(都立大島海洋国際高校)
サンゴの増殖技術開発実証実験(水産土木建設技術センター)
低潮線保全法(内閣官房総合海洋政策本部事務局)
パネルディスカッション
沖ノ鳥島でとれる魚の加工品試食
また、会場では沖ノ鳥島の各種の写真付き説明パネル、地形模型などが展示された。
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1. 直径50mのコンクリートで防護(さらにその周囲は消波ブロックで防護)された「東小島」写真パネル。
[拡大画像: x23236.jpg]
2. 沖ノ鳥島の地形や気象・海象の説明パネル。 [拡大画像: x23237.jpg]
辞典内関連サイト
・ 世界の海洋博物館
・ 日本の海洋博物館
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