一枚の特選フォト⌈海 & 船⌋
アナンタナーカラート御座船・船首像
Anantanakaraj Royal Barge figurehead
タイの首都バンコクの⌈王室御座船国立博物館 National Museum of the Royal Barges⌋の前身は、王室および
王立海軍の管理下にある御座船 (ロイヤル・バージ) や軍船の乾ドックであった。第二次世界大戦時の爆撃によって甚大な損壊を
受けたが、タイ政府は1949年に文化省美術局 (Fine Arts Department, Ministry of Culture) を通じてそれらのバージを修復した。
かつて最高の職人技術 (クラフトマンシップ) によって建造されたこと、また国家の文化遺産としての価値の高さを鑑みれば、
当然の修復事業であった。美術局の指導の下、アーティストらはその損壊の修復に成功した。また、1972年にドックは改装され、
王室御座船国立博物館へと生まれ変わった。博物館での限られたスペースゆえ、52艘の重要な御座船のうちの8つが展示されている。
展示されている8艘の御座船およびエスコート船は、以下の通りである。
* エスコート船
アナンタナーカラート御座船 Royal Barge Anantanagaraj
インド伝説(legends)では、ナ―(Naga)とは水中界に住む一種のヘビである。ナーの王 (the King of Naga) が⌈アナンタナー
カラート⌋(Anantanagaraj)である。ヒンドゥー教世界の守護神⌈ナーラーイ(Narai)⌋または⌈
ヴィシュヌ(Vishnu)⌋が世界終焉時にミルクの海を掻き回す間手助けをしたのが、このアナンタナーカラートである。
アナンタナーカラートは「永遠の存在」、「不滅」のシンボルである。
アナンタラーカラートに身を休めるナーラーイ神 (ヒンドゥー教の神; ヴィシュヌ神と呼ばれる) のように、ヴィシュヌ神 (Vishnu) の化身
(アヴァター・avatar*)としての王がこのアナンタナーカラート御座船に宿っているという信仰を表わしている。
* naga: [ヒンドゥー神話]ナーガ [ナーガとは蛇・竜を神格化したもので、雨や川などの神霊].
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1 2 3 4 1. アナンタナーカラート御座船の船首像。 [拡大画像: x23911.jpg] 2. 船体中央部にある王座楼。 [拡大画像: x23912.jpg] 3. 船首から王座楼のある船体中央を見る。 [拡大画像: x23910.jpg] 4. アナンタナーカラート御座船の案内パネル。パネルには、"Width 2.58 m. Length 44.85 m. Depth 0.87 m. 54 Oarsmen and 18 crews. Completed in 1914, in the reign of King Vajiravudh (Rama VI)" と記されている(⌈Guide⌋での記載数値とは若干異なる)。 [拡大画像: x23913.jpg] * 辞典内関連サイト ・ 世界の海洋博物館 ・ 海洋博物館-タイ ・ タイ王室御座船国立博物館 * ウェブサイト ・ 王室御座船国立博物館 (The National Museum of the Royal Barges) 公式ホームページ(タイ語) |