|
千葉県・房総半島最南端の地に野島埼灯台が立ち、殊に東京湾に出入りする船の道しるべとなっている。その灯台のすぐ脇に創設されて
いる「白浜海洋美術館」。世界広しといえども、海洋の工芸美術にフォーカスするような美術館は他に見ないのではないだろうか。
1965年8月、柳八十一・和子夫妻が私財を投じて創建されたもので、海洋国家にふさわしいものを美術の面から探りたいとの思いをもって、
日本全国から蒐集したものを展示する。江戸時代から大正・昭和初期までの先人たちの「海への心」を感じ取れるユニークな美術館である。
最大の展示品は、房総半島発祥の「大漁半纏(はんてん)・万祝(まいわい)」とのこと。半纏とは、折り襟や胸元を締める紐がなく、
羽織のような短いうわっぱりのことである。江戸~大正時代にかけ、船主や漁師たちが大漁を祝う際に羽織ったものである。
その他の海の工芸美術品としては、弁財船などの船絵馬や大漁絵馬、手漕ぎ舟の船首飾り(例えば、いわき地方のカツオ舟の舳につけた
船首飾り)、網針入れ(網針を収納する木箱)など、いろいろである。
[2011.11.12.千葉県・房総半島・野島埼灯台そばの白浜海洋美術館にて][拡大画像: x24151.jpg]
[雑記帳] 宮中において貴族や女官らが大勢で遊んだのであろうか、「貝合わせ」という遊び道具も稀有な展示品である
(下記画像1の右下の2つの容器がそれである)。
二枚貝の2枚の貝殻は必ずぴったりと合わさり一組の揃いとなる。
この一組の貝殻の内側には十二単などを着て遊ぶ女官らの同じ絵が描かれている。貝殻の外側の縞紋様と内側の絵柄をもって、
トランプゲーム「神経衰弱」のように遊ぶらしい。正真正銘の一揃いかどうかは、2枚の貝殻を合わせて見れば確実となる。
そんな貝殻370組が大きなケースに収められているという。
|