韓国・釜山。造船業・水産業も盛んであるが、今では世界有数の港湾・海運都市である。
地下鉄1号線・釜山の次の駅・中央洞で下車、国際旅客ターミナルへと向かう。釜山と博多とを結ぶ関釜(かんぷ)フェリー・はまゆう号が
停泊し、出航準備中であった。海岸通りの大橋路に沿ってそぞろ歩く。済州島などへ渡る内航船が発着する沿岸旅客ターミナルを過ぎて、
釜山大橋を渡る。対岸の島は影島という。その海岸沿いにはいくつもの造船所が並び、乾ドックが海に向かって櫛のように並ぶ。
空に突き刺す造船用大型クレーンが林立する。いくつもの大型船が入渠し、修理または建造中で、活気に満ち溢れている。そんな造船
と海運の街風景をモチーフにして創作されたのがこのセラミック・アートであろう。中央洞駅改札口を出たところで遭遇したこのアート
を切り撮った。
[2011.09.25.韓国・釜山にて][拡大画像: x24108.jpg]
[雑 記 帳]
最近のコンテナ貨物取扱量の世界ランキング(2010年)によれば*1、世界第1位は上海で、次いでシンガポール、
香港、深圳へと続き、第5位が釜山である。東京は第27位、横浜第36位である。1980年には第4位であった神戸はさらに低位に甘んじる。
* 上海については、長江河口に面する既存の上海港に加えて、沖合約30kmに浮かぶ複数の島を埋め立て大深水港を建設してきた。
陸地と港間に東海大橋(全長32㎞)がかかる。この深水港でのコンテナ取扱量は、東京、横浜、神戸の合計973万個を上回る1,010万個
を取り扱った。既存港と合わせた上海港全体では2,907万個で、上海だけで日本全体のコンテナ取扱量を上回る。
* 釜山港での取扱量についていえば、1,416万個であった。東京(420万個)、横浜(328万個)、神戸(225万個)のそれらを合わせた量
より上回っている。1990年代に21世紀に向けてコンテナ埠頭建設などの港湾整備・海上輸送発展戦略を推進してきた結果である。日本では、
1990年代初期バブル経済がはじけて以来、"失われた20年"の間、適切な変革をなしえて来なかった結果でもある。
日本のこれらの主要港湾のハブ港としての国際競争力、あるいは長さ40フィート (約12m) コンテナ1個当たりの
港湾施設利用諸料金あるいは海上輸送コスト面での国際競争力について、その現在と未来への展望はいかに*2。
また、国際バルク貨物海上輸送における国際競争力についての展望はいかに*3。今や、中国、韓国とは大水深港整備などで
大きく水をあけられ、日本の国際海上輸送の競争力はもはや過去のもである。国際海上輸送における単位当たりコストの国際競争力を大きく
左右する港湾インフラの再整備が必要不可欠となっている。
日本が目指すのは港湾利用・海上輸送における世界トップレベルの国際競争力である。それを目指すのであれば、
それに相応しいベストな国家戦略、ハード・ソフト両面での施策やロードマップをもって、たゆまぬ変革を続けて行くという覚悟が
いる。[2011.12.08]
[参 照 例]
*1 朝日新聞 "上海港世界一 コンテナ量、日本の総量超す"、2011年8月30日朝刊、13版5ページ
*2 日本経済新聞 "日本の港湾巻き返し、貨物の海外流出阻止へ、神戸港初の24時間化"、2011年12月5日朝刊、29ページ
*3 日本経済新聞 "戦略物資確保のために"国際バルク戦略港湾"への期待"、2011年11月29日朝刊、28~29ページ
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