海洋総合辞典 Comprehensive Ocean Dictionary, 特選フォト・ギャラリーPhoto Gallery, バルバス・バウ(球状船首) bulbous bow, 釜山Busan, 韓国South Korea

一枚の特選フォト⌈海 & 船⌋


One Selected Photo "Oceans & Ships"

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アイアン・アート 「バルバス・バウ(球状船首)」

韓国第二の都市・釜山。地下鉄1号線「釜山」の次の駅「中央洞」で下車、国際旅客ターミナルをめざす。釜山と博多を結ぶ関釜(かんぷ) フェリーの「はまゆう」が停泊する。ターミナルのすぐ手前に釜山税関本部ビルが立つ。
税関ビルに向かって海岸通りを横切ろうとした時、右手に茶色っぽいものが視界に入った。オフィスビル直下に何やらモニュメント らしきものが鎮座する。
通りを渡ろうにも信号は「赤」、脚を止めざるをえなかったのが幸いして、じっと目を凝らし続けた。その甲斐あって、 眼球の焦点が合って、被写体がじわりと鮮明となった。
もしかして、球形船首 (bulbous bow) をモチーフにしたアートではないか。先を急ぐ訳でも、目的地のある街歩きでもなかったので、 近づいて確かめる余裕があった。
そこにあったのは、まさに造船と海運の港市・釜山の街角を飾るにふさわしい、重厚感溢れる、球形船首のアイアン・アートであった。
  [2011.09.25.韓国・釜山にて][拡大画像: x24111.jpg]


[雑記帳]
船が進むと、その船首から波が左右に分かれて広がって行く。この波が「船首波」といわれるもの。また船が通り過ぎた後に、 その進行方向に対して直角に残る波がある。船が造るこれらの波によって船が受けることになる抵抗が「造波抵抗」 といわれるものである。
船首波の抵抗を緩和するために現在最もよく取り入れられている船舶構造は「バルバス・バウbulbous bow」、すなわち球状形の船首である。 船首の喫水線下の部分が船の前方に球状あるいは筒状に突き出す構造がそれである。
球状の出っ張りは水面下で水を押しのける。それによって造り出される波と、船首の水線付近で造り出される船首波とはそれぞれ位相が 異なる。球状船首によって位相のずれた波を造り出し、この波が船首波と干渉し、船首波を相殺し、両波が互いに打ち消し合うことになる。

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1. オフィスビル直下に据えられたアイアン・アート。遠くからだと何なのか分かりづらく、鉄の塊にしか見えない。  [拡大画像: x24112.jpg]
2. 最初は「どでかい靴先」に思えた。正面からもじっくり眺めて見る。 [拡大画像: x24113.jpg]

辞典内関連サイト
・ 世界の海洋博物館-韓国


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