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西太平洋、マリアナ諸島のサイパン島。眼前に信じられないほどのべた凪の海が広がる。
西の空には、没するにはまだ早い太陽がギラギラと輝く。「赤道付近における無風帯(ドルドラム)」のような様相を呈している。
海は大凪で、海面はまるで鏡のようである。帆船でこの海を航海していたとすれば、まさに船乗り泣かせの完全無風状態である。
風が吹き出すまで我慢強く気長に待つ他あるまい。それにしても、地球の全陸地を呑み込むほど広大な大洋でありながら、
何と波穏やかな海であることか。
歴史は消し去ることはできない。日米両軍が1944年6月から7月にかけて25日間の死闘を繰り広げた。米軍が6月15日にこの近くの海岸に上陸
し、激闘は続いた。米軍側 14,000人、日本軍側 30,000人、また日本・朝鮮民間人ら15,000人の戦死者を出し、生存者わずか1000人余
であったという。すぐ眼前の平穏な海には、爆撃機のプロペラ、沈没した日本商船など、戦争という愚行の「歴史的遺物」が眠る。
[参考] doldrums: (pl.)[海][赤道付近の]無風帯、[特に]赤道無風帯、ドルドラム; [その無風水域の]天候、無風状態、凪→
horse latitudes: (pl.)[海]無風帯 [北緯及び南緯各30度辺りの海上、特に大西洋上の海上]。
[2012.05.13-16 マリアナ諸島サイパン島にて][拡大画像: x24495.jpg]
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