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南洋の島サイパン。ホテルのバルコニーに出る。無風状態にして波穏やかな太平洋の西方に視線を向け、陽が沈み行くのをじっと待つ。
陽はまだ少し高かった。何をするわけでもなく、ただ没し行く陽を眺めることだけに時間を費やする。
何と贅沢な時間を過ごしているものかと、合掌。
はじめは、一本の蝋燭を立て掛けたような強烈な光の柱がべた凪の海面に映えてひどく眩しかった。
そのうち、燃え盛る火の玉が天空の雲を真っ赤に焦がしながら沈み行く。海一面が茜色に染まる。太陽が空と海をカンバスにして創作した、
まさに「超大の水彩画」である。思いもよらず自然の大スペクタルを切り撮った。やがて、陽が完全に没するやいなや、
柔かい色調の夕焼けが水平線上に広がる。その上にはダークブルーの空が透けて見える。感動なお冷めやらずして暫したたずむ。
気が付けば、ブラック・カーテンが垂れていた。
[2012.05.13-16. マリアナ諸島サイパン島にて][拡大画像: x24499.jpg]
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