一枚の特選フォト⌈海 & 船⌋
異空間への入り口、潜水艦「Deepstar」のハッチ
南洋の楽園・サイパン島。波に揺れるはしけ船からイエローボディの観光潜水艦「ディープスター Deepstar」に跳び移る。
艦上においても、雲の上を渡り歩くかのように、やはり揺れる。
観光用とはいえ、海上の母船とケーブルにて繋がれているわけではない。自航式の「本格的な」潜水艦なのである。
艦首と艦尾に直径 1 mほどの頑丈な鋼鉄製ハッチがある。後ろ向きになって、狭く急な階段を降りる。
ふと見上げるとブルースカイが円形に小さく切り取られている。 艦内には、片舷につき7、8の丸い海中観察窓が並ぶ。各窓に2人ずつ陣取る。潜航深度計は23メートルを指している。 深度はわずか20数メートルとはいえ、ハッチが完全に閉じられると、艦内空間は狭く感じられ完全に密閉された空間となる。外界の空間 とはまるで違うという感覚にとらわれる。 どちらも 1 気圧の空間とはいえ、全く開放された世界と閉塞された世界、酸素がいつも自然に存在する空間といつも人為的に 供給され続けなければならない空間、、、、。
潜水艦という「非日常的な異空間」に居ながら、海面下20メートルという「非日常的な海中空間」を散歩するという、
まさに非日常的な体験を暫し楽しむ。 |