カンボジアでの地雷除去への挑戦
Challenge to Demining in Cambodia

カンボジアでは、「日本国民からの贈り物」として日本から供与された金属探知機などの
機材も使って地雷除去活動が続けられている。 [拡大画像(x5514.jpg)]
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カンボジアでの内戦がパリ和平協定の締結をもって終結してから10数年が経つ。
だが、全土に埋められた地雷除去との戦いは始まったばかりである。
世界には2億個以上の地雷が埋まっているといわれる。
カンボジアでの埋設地雷は500~600万個といわれる。
対人地雷、対戦車地雷、不発弾などを毎年2万個除去できたとしても、単純計算では200年以上かかる。
2002年には800余名のカンボジア国民が地雷爆発事故の犠牲になった。
うち数十%が死亡または身体障害者となった。
2003年8月、たまたま機会があって世界遺産であるアンコール・トムを訪れた時、
その石畳にすわって物乞いをする少女に出会った。
彼女は両足を失っていた。地雷爆発事故の犠牲者の一人であった。
少しでも足しになればと、お椀に差し入れた。
後で、僚友から 「手もなかった」 と聞かされた。
それに気がつかなかった私は、後で衝撃を受け、しばらくは無言のまま歩いた。
その後も、シェム・リアップの街中で松葉杖をついた
戦争や地雷事故の犠牲者らしき多くの人々を見かけた。
かつて幼い頃郷里の大阪でよく見かけた、
松葉杖をつき物乞いする多くの復員兵の姿が脳裏に蘇った。
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地雷除去の方法については、いずれかの機会にお話したい。
それは何百円もしない対人地雷1個を除去するのに何万円もかけることになる。
莫大な経費と時間がかかる。
これからも、一般市民、特に田舎で農業を営む貧しい農民から犠牲者がでるのは避けられそうもない。
地雷を埋めるのも人間のなす業、除去するのも人間の業。
犠牲もまた人間、それも貧しい農民たちにふりかかる。
カンビジアでは欧米諸国、日本、豪、NZなどをはじめ、国際機関、NGOなどから多くの協力をえて、
「カンボジア地雷活動センター」(Cambodian Mine Action Centre: CMAC)が
和平合意以降、地雷除去活動などをしてきた。
首都プノンペンのCMAC本部には展示館もあって、
除去活動の様子、さまざまな地雷や大小の不発弾などの実物が展示されている。
機会があればぜひ一度訪問されることをお薦めしたい。