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一枚の特選フォト「海 & 船」

One Selected Photo "Oceans & Ships"

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    秋田市土崎沖で引き揚げられた四爪錨(よつめいかり)
    [秋田県にかほ市・象潟郷土資料館]



    北前型弁財船は江戸中期から明治20年頃まで、物資輸送のため日本海沿岸諸港と大阪を結ぶ西廻り 航路で活躍した。「北前船」とも呼ばれる。秋田県象潟(きさかた)町の旧塩越港は天然の良港としてかつて1000石積み級の大型 北前型弁財船が出入りして活況を呈していた。

    秋田県にかほ市「象潟郷土資料館」では、港の繁栄を示す物証として弁財船にかかわるさまざまな実史料が所蔵・展示されているが、 画像の錨は北前型弁財船で使用されていた鉄製の四爪錨である。爪が四つあることから「四爪錨」と称される。 象潟(きさかた)海岸沖でも海底からそんな錨がしばしば発見されてきた。

    北前型弁財船では人力で上げ下げするため、積載される錨1頭の重さは限定されるが、500~1000石積み(米換算で75トンから150トン;  1石=150㎏)級の弁財船では、大小7,8基の錨を装備していたとされる。

    画像の錨は、秋田市土崎沖4マイル(nautical miles, 海里)、水深50メートルで底引き漁船(金浦町の金浦漁港所属)の網にかかり 引き揚げられたものである。錨は長さ2.7メートル、重さ250㎏あり、日本海事史学会の鑑定によれば1,500石積み級の弁財船の 五番碇ではないかと推測されている。

    錨の寄贈者: 土門良助氏(にかほ市金浦)。表面にはフジツボ、カキ、コケムシなどが付着しており、長い間海底に眠っていた ことを見て取れる。

    [撮影・年月日:2022.06.02/場所: 秋田県にかほ市象潟郷土資料館にて; 展示品案内パネル参照][拡大画像: x29210.jpg]


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