画像1は、たつの市室津の「賀茂神社」境内の「絵馬堂」に掲示される「蘭船図絵馬」(たつの市指定有形文化財)である。
同神社や絵馬の案内板には、概略以下のような説明書きが付されている。
「蘭船図」絵馬について
画面上端に「奉納」、左端に「寛政十一己年正月良辰」「長崎内中町 西山儀助 同恵美酒町 上田力蔵」の墨書がある。筆者名
はないが、長崎系の洋画家若杉五十八 願主は長崎の日雇頭と推定されている。
このオランダ船図について、「シーボルト江戸参府(さんぷ)紀行」に「彼らは我々を奉納画のかかっている絵馬堂に
案内したが、海で互いに礼砲を発射しているような二隻のオランダ船が描いてある海洋画に我々は注目した。
この絵は奉納堂の中で最もできの良いものの一つで、長崎で描かれ、1804年に儀助という荷駄宰領が誓いをたててここに
寄進したものである」と記載されている。
説明書きにはさらに、全国的にも数例しかない遺品であるとして、2007年(平成19年)4月に新市発足後初の有形文化財指定となったと
記される。
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2. 絵画出典: シーボルト著の「日本」に描かれた挿絵。
室津の地に賀茂神社が社殿を構えた起源や当初の有り様は定かでないが、平安時代後期には
社殿が五つ六つ並び立っていたことが史料から分かるという。江戸時代、室津には多くの外国人が上陸した。オランダ商館長に
同行した医師シーボルトは、1826年(文政9年)に室津を訪れた。本図はその時に描かれたもので、室津の賑わいや賀茂神社について
記述された紀行文に添えられたもの。その他、室津は西国大名の参勤や外国人の参府に関わって来た歴史をもつなどと、神社の案内板に
記されている。
3. 現在の賀茂神社(2024.6.5)
[撮影年月日:2024.06.05/場所: たつの市室津・賀茂神社の「絵馬堂」][拡大画像: x29337.jpg][拡大画像: x29338.jpg]