画像は「たつの市立室津民俗館」に展示される一本釣りの和船の模型である。「一本釣和船(1/2)」と題する展示パネルには
概略次のように綴られている。なお、寄贈者は吉村廣夫氏と記される。
一本釣りとは、一本の糸に釣り針を1本から数本取り付けて魚などを釣り上げる漁法である。
網漁法のように多量の漁獲を期待できないので、自ずと高級魚を狙うことになる。それと同時に、漁獲物を高値で
売るためには近くに消費地を必要とする。瀬戸内海はその点では一本釣りの発達に適していた。
室津でも明治・大正・昭和時代には多くの漁業者が一本釣りに従事した。その際に使用されたのが一本釣
和船である。木造で、帆と艪(ろ)で航行したが、昭和50年(1975年)頃からFRP(強化プラステチック)に取って代わられた。
本船は室津で造船業を営む吉村廣夫氏が、当家に残る図面を基に2分の1の縮尺で復元したものである。
製作にあたって、三逆木(さんさかき)(古来より木造船には魔除けのため、舳(みよし)・船玉(ふなだま)の立(たつ)・舵に逆木
を使用した)などの、船大工ならではの伝統的技術が用いられている。また、苫(とま)と帆は中橋信康氏(元漁師)の製作による
もので、苫には萱(かや)ではなく棕櫚(しゅろ)を用いて、室津の昔ながらの技法でもって作られている。
[撮影年月日:2024.06.05/場所: 「たつの市立室津民俗館」にて][拡大画像: x29334.jpg]