深海底のレア・アース泥について
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1.南鳥島沖で採取されたレアアース泥の実物試料(その1)
画像は、東京・国立科学博物館で開催された特別展「深海」(2013年7月7日~10月9日) において展示された「レアアース泥」の
サンプルである。パネルには、「レアアース泥 REY-rich Mud: 南鳥島沖の水深約5600-5800mで採取された海底面の堆積物と
レアアース泥。レアアース泥は濃い色をしている」と記される。左:表層泥(茶色)、右:レアアース泥 (チョコレート色)
[画像撮影: 2013.9.18 東京・国立科学博物館にて][拡大画像: x25561.jpg][拡大画像: x25562.jpg]
2.南鳥島沖で採取されたレアアース泥の実物試料(その2)
2014年10月2-4日、海洋技術に関連する日本最大の展示会・シンポジウムである「テクノオーシャン 2014」が神戸
で開催された。画像は海洋研究開発機構 (JAMSTEC) によって展示されたレアアース泥の実物標本である。いずれも
小笠原諸島・南鳥島沖で採取されたものである。
[画像撮影: 2014.10.2 神戸「テクノ・オーシャン2014」にて][拡大画像: x26560.jpg][拡大画像: x26562.jpg]
[論点1]レアアース(希土類元素)とは何か
元素周期律表第III 族に属する元素番号57 (ランタン) ~71 (ルテシウム) の15元素の総称である。
* 第III族の元素番号21 (スカンジウム)、39 (イットリウム) を加えた17元素を指す場合もある。
レアメタルとは、経産省が指定した、日本の産業上重要な31種類の元素の総称である。
レアアースは素材原料として用いられると独特な磁気特性、光学特性などを発揮する。
・ 例えば、ネオジウム、ジスプロシウムは高性能磁石に用いられたりする。
・ 「軽レアアース」と称されるネオジウム、ランタンなど7種は地球上に普遍的に賦存し、ジスプロジウム、テルビウム、
イットリウムなどの「重レアアース」は埋蔵量・品質などの観点から中国に偏在する。
レアアースの富鉱海域は、タヒチ、ハワイ南方海域といわれるが、今回小笠原諸島・南鳥島沖の海底でも高濃集のレアアース泥が
採取された。今後その賦存の科学的理由、成因、分布状況などが解明されるものと期待される。
日本の200海里排他的経済水域(EEZ)内に賦存する場合は、日本の「準国産的な」鉱物資源ということになる。国家管轄権が及ばない
公海海底区域(厳密には1982年国連海洋法条約上の「国際海底区域」)であれば、人類の共有財産と位置づけられ、国連の「国際海底機構」(International Seabed Authority; ISA)の定める調査開発・管理ルールに服することになる。
[論点2]レアアースの今後における課題について
・ 高濃度のレアアースを含む海泥の賦存状況(レアアース高濃度泥が賦存する層位、特に海底堆積層の深度、レアアース泥
の広がりなど)はいかに。
・ 水深5~6,000メートルからの採泥・揚泥技術、および製錬技術の開発。深海底からの採泥の商業化実現可能性について。
・ 小笠原諸島・南鳥島沖の海底からの採泥のレアアース濃度は、5000PPM(PPMは100万分の1の濃度)と試算され 中国の鉱山の場合と
比較して30倍以上と言われる。
・ レアアースの商業的海泥開発に適する賦存地域の特定、資源量の評価が必要とされる。
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1. パネル説明によると、南鳥島沖で採取された泥を分析した結果、高濃度でレアアースが含有されることが確認された。
泥の採取は海底下数メートルの浅部におけるもの。浅部泥でのレアアースの高濃度含有は新しい知見であることから、
今後いかなるメカニズムによるものか、その成因の科学的解明に取り組むという。 [拡大画像: x26563.jpg]
2. 日経新聞の2014 (平成26) 年11月25日付記事。東京大学加藤泰浩教授、JAMSTECなどが南鳥島沖で高濃度のレアアース (希土類)
を含む海泥を採取したことを報じる。 [参考資料: 拡大画像: z21207.jpg]
3. 日本の南方海域における資源分布図。東シナ海の沖縄トラフや小笠原諸島周辺海域のピンク色が熱水活動域、朱色が鉄マンガン・
クラスト、黄色がメタン・ハイドレートを図示する。右下方に拓洋第五海山、南鳥島が示される。
[画像出典:国立科学博物館・特別展「深海」][拡大画像: x25571.jpg][縮小画像: z19592.jpg]
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