「コンクリ―ション(concretion)」は「ノジュール(nodule)」とも呼ばれる。何らかの核となるものをもって形成された球状で、
周りの岩石よりも硬い岩塊をいう。そのノジュールを割ると、内部からアンモナイト、カニ、鯨などの海の生き物の化石などが見出される。
通例、過去の生き物の遺骸が化石として綺麗なままに保存されている。コンクリ―ションはまさに過去の生き物のタイム
カプセルといえる。果たして、どこで、どのようにできたのか。その成因は謎に満ちている。名古屋大学博物館にはコンクリ―ションの
研究、科学的謎解きにチャレンジしてきたこれまでの成果が展示されている。
「名古屋大学博物館」の館前に大小3つの丸い石塊が展示される(画像1)。「球状コンクリ―ション」と題する展示案内板には
次のように記される。
「炭酸カルシウムを主成分とする球状岩体。海底の堆積物中で生物の炭素成分と、海水中のカルシウムとの急速な反応で数年程度で丸く
成長することが明らかとなった。内部には化石などの生物の痕跡を含む。
・ 小サイズ: 宮崎県都城市(5000万年前)
・ 中・大サイズ:宮崎市田野町(650万年前)
博物館では世界の様々な場所での多様な生物の化石を内在させる岩塊(コンクリ―ション)を紹介する。例えば、ニュー
ジーランド南島東海岸のモエラキボールダーで産出したコンクリ―ション群は大きさ・形・量において世界的な規模で産出(画像4)。
海岸の浸食によって地層から掘り出されたままの数多のコンクリーションを観ることができる。
日本でも殆どの都道府県でコンクリ―ションを産出するが、中でも秋田県男鹿市男鹿半島の鵜ノ崎海岸には、その大きさや量などから
して世界的規模といえる鯨コンクリ―ション群が観ることができる。鯨の有機炭素成分と海水中のカルシウム成分とが反応して
できたもの。
宮崎県都城市の砕石場の海成地層(約6600万年前~約2300万年前)から多くの球状コンクリーションが産出した(画像2,3)。
宮崎日南海岸には日本唯一といえる表面が鉄で覆われた大小無数のコンクリーション群を観ることができると、展示パネルに記されている。
[参考]
・ concrete: adj.凝結した、個体の、n.凝結物、固結物.
・ concretion: n.凝固、凝結; 凝固物、凝結物; [地質]凝塊、結核→ 球状コンクリ―ション: spherical concretions.
[撮影年月日:2025.04.05/場所: 名古屋大学博物館 Nagoya University Museum(古川記念館 Furukawa Hall)]