海洋総合辞典 Comprehensive Ocean Dictionary, 特選フォト・ギャラリーPhoto Gallery, 平成23年度企画展「世界の運河・日本の運河」exhibition regarding canals in the world and Japan, 埼玉県立・川の博物館Saitama Prefectural River Museum

一枚の特選フォト⌈海 & 船⌋


One Selected Photo "Oceans & Ships"

Back to: Top Page | 特選フォト⌈海&船⌋目次 (Ocean and Ship Photos) | ご覧のページ


埼玉県立・川の博物館/企画展「世界の運河・日本の運河」 [埼玉県]

「埼玉県立川の博物館」において、国内外の運河に関する技術や歴史などを紹介する 平成23年度 (2011年度) 春期企画展「世界の運河・ 日本の運河」が開催された (2012年3月10日~5月6日)。画像は、荒川周辺の河川流域で活躍し舟運を支えていた帆掛け荷船 (本館での常設展示)の展示風景である。

企画展では、日本の運河だけでなく、例えばパナマ運河・スエズ運河、中国の京杭大運河、英国・ヨーロッパ大陸における 運河などについてパネルなどで紹介された。 因みに、江戸時代中期に開削された閘門式運河である「見沼通船堀」(みぬまつうせんぼり) の模型も展示された (通船堀は 利根川から水を引いた見沼代用水東縁・西縁の2用水と、江戸につながる芝川とを東西に結んだ全長約1kmの運河である。国指定史跡。 所在は埼玉県さいたま市緑区)。

パナマ運河建設工事の歴史、技術等のパネルにおいては、日本人青年技師・青山 士 (あきら) がパナマにてその建設工事の測量技師 として従事したことが、同人の写真を添えて紹介された。

青山は1904年 (明治37年)、パナマ運河工事に着任し、1912年1月に帰国した。帰国後まもなくして荒川放水路の建設に従事 した人物である。1915年には最重要かつ難工事の岩淵水門 (放水路の入り口) の工事主任となった。1918 (大正7年) には荒川改修 事務所主任となり、荒川改修と放水路開削工事の全てを任された。1924年人工の放水路は完成した。同水門から東京湾河口まで 幅500m・全長22㎞のこの放水路こそが、現在の荒川である(旧荒川は、現在の隅田川となっている)。





博物館の本館での常設展示としては、荒川水系での舟車 (川に係留された舟形の粉ひき水車)、帆掛け荷船 (上記画像)、 「舟の橋」の模型、ウナギを捕獲する筌(うえ)などの漁具、鉄砲堰のジオラマ、埼玉県内でも養殖が盛んな 観賞用金魚に関する展示などである。
また、荒川奥地に棲息するヤマメ、イワナなどの他、コクチバス、オオクチバスなどの淡水魚を観察できるミニ水族館 「渓流観察窓」がある。
屋外には、源流から東京湾までの173kmにおよぶ荒川周辺の大型立体地形模型が展示される。
また、博物館のシンボル的な存在である直径23mの大水車が屋外に展示されている。





* 新・旧の岩淵水門は我が住処からわずか3㎞ほどの距離にあり、恥ずかしながら地元の産業施設でした。岩淵の「荒川知水資料館」 には貴重な資料が収蔵されているとのことである。
[2012年4月28日、埼玉県立・川の博物館にて/所在地: 埼玉県大里郡寄居町小園/電話048-581-7333/交通案内: 東武東上線鉢形駅下車、徒歩10分ほど]


Back to: Top Page | 特選フォト⌈海&船⌋目次 (Ocean and Ship Photos) | ご覧のページ