一枚の特選フォト⌈海 & 船⌋
リギングズ(マスト・ヤード・動静索など)(2)
白い船体(ハル)に高いマストをもち、細長い帆桁(ヤード)をマストに綺麗に吊り下げて並べたてた姿。
それは結い上げた髪にかんざしを挿した「花魁(おいらん)」にも似る姿。ゆえに、「花魁船(おいらんぶね)」と呼ばれることもありなん。 日本丸のマスト、前方からフォアマスト、メーンマスト、ミズンマスト、ジガーマストという。マストはいずれも垂直に立って おらず、やや後方に傾斜する。フォアマストが3.5度、メーンマストが4.2度、ミズンマストが4.9度、ジガーマストが5.6度と、 順に傾斜度は大きくなっている。 総帆展帆の場合は、合計29枚が装備される。船首尾線とは直角方向に、マストに掛けられるヤードに合計18枚の四角い帆(横帆と 呼ばれる)、さらには船首尾方向にかけられる三角形や不等辺四角形の帆が、フォアマストの前方、マストと マストの間、ジガーマストに合計11枚の帆(縦帆と呼ばれる)が装備される。 それらの総面積は2,065平方m、畳の大きさに換算すると1,250畳にもなる。それらの帆から生み出される推進力をもって、 約2,300トンの船体を時に好条件のもとでは時速20kmで航走する。
[参考文献] 荒川博 「帆船への招待」 海文堂、昭和61年、28-40頁
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