一枚の特選フォト⌈海 & 船⌋
横静索(シュラウズ)&段索(ラットライン)
フォアマストの左舷側のシュラウズ(shrouds)。マストを右舷・左舷側からそれぞれに支えている静索を横静索
という。船乗り仲間では横静索といわず、「シュラウズ」で通っている。また、横静索の意味では複数形のshroudsとなる。
単数形のshroudは、「経かたびら」、「覆う物・包む物」、「屍衣(しい)」などの意味であり、複数形のシュラウズshrouds
となってはじめて海事用語の横静索の意味になる。要するに、マストを両舷において支える「数本の支索」を一まとめにして
の名称になっている。 そのシュラウズには細いロープを左右に何段にも渡し、人がマストの昇り降りを行うための足場としている。この足場を ラットラインズ(段索・索梯)ratlines*と呼ばれるもので、ラット・鼠(ねずみ)の尻尾(しっぽ)に似ていること から由来したといわれる。上下の段差は場所によって異なるが、約28~30cmであり、これより狭いものはご婦人用梯子と軽蔑 されたといわれる。
* ratline, ratlin, rat-line, ratling: n.[海](通例pl.=ratlines or ratlins)ラットライン、[縄梯子の]段索 (だんさく)、索梯 [横静索(shroud)に作った縄ばしごの段索(綱ばしごの足場用の綱)。シュラウズに綱を水平に張り、 登檣する(マストに登る)ための縄梯子としたもの; マスト(檣)昇降用の縄ばしごの足綱あるいはそれに用いる細綱; → deadeye]; ラットラインスタフ[横静索に水平に縛り付ける段索用の綱[索]で、タールを浸したストランド三本のロープ (=ラットラインに使うタールを塗ったロープ)]、段索用の綱 [参考文献] 荒川博 「帆船への招待」 海文堂、昭和61年、49-51頁 [2010.03.日本丸メモリアルパーク(Nippon Maru Memorial Park)・練習帆船「日本丸」sail training ship Nippon Maru・ 横浜][拡大画像: x22542.jpg]
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