サメの歯は独自の進化を遂げて来たと言えよう。サメの歯は一つ抜けるとすぐに次の歯が後ろからせり出して
来て埋め合わせる。歯は次々と再生されて行くことになる。ホホジロザメの歯はほぼ二等辺三角形で、その二等辺部には
鋸(のこぎり)状のギザギザがついて、これで自身より大型の獲物を襲い肉を食いちぎりる。
説明パネルはホホジロザメの歯について次のように記している。
「恐怖の顎骨「ジョーズ(Jaws)」」
「全長5.8mのホホジロザメの顎骨。「ジョーズ」といえば映画の影響もありサメを思い出しますが、ジョーズは英語で
JAWS(顎)、そのとおりの名前ですね。実物のサメでは恐ろしくて出来ませんが、口の奥までのぞいてみましよう。
予備の歯がびっしり並んでいます。サメの歯は、約2週間に一度の割合で生え替わり、歯が折れても後ろの列の歯が前の
列に順番に生え替わります。」
「サメの歯は一生のうちに何度でも生え替わり、その本数は数万本に達します。また歯の形は
食べる物に適した様々な形をしています。たとえば、捕食性のホホジロザメやメジロザメ
などは大型の獲物を襲い、食いちぎりやすいように、歯1本1本がギザギザしています。一方、
ジンベエザメやメガマウスザメは、プランクトンや小魚を丸呑みするので、歯は米粒の大きさにまで
退化しています。特に珍しい歯形はダルマザメで、自分の体の数千倍の大きさのクジラなどから、まるでアイスクリームを
すくうように皮膚をかすめ取るカミソリに似た歯が半円形に並んでいます。」
[2010.09.02 気仙沼リアスシャークミュージアムにて][拡大画像: x23034.jpg]
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1. 上顎の歯。ほぼ二等辺三角形の歯。歯には鋸状の無数のギザギザが見える。 [拡大画像: x23044.jpg]
2. 上顎の歯。内側にはいくつもの生え替わり用の予備の歯が見える。 [拡大画像: x23045.jpg]
3. 下顎の歯。次の歯が後ろから立ち上がって来る様子が観察できる。 [拡大画像: x23046.jpg]
4. 下顎の歯。次の歯が後ろから立ち上がって来る様子のほかに、背後の鏡にはいくつもの生え替わり用の歯が重なり合って
いる様子が映し出されている。 [拡大画像: x23047.jpg]
辞典内関連サイト
・ 世界の海洋博物館
・ 日本の海洋博物館
・ 気仙沼リアスシャークミュージアム
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