一枚の特選フォト⌈海 & 船⌋
帝政ロシア・装甲巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」の主砲
東京・お台場の「船の科学館」にて屋外展示されているこの巨大な砲身は、帝政ロシアのバルチック艦隊の装甲巡洋艦
「アドミラル・ナヒーモフ」(7,780トン)に搭載されていたものである。説明パネルによれば、ウゴコフ式20.3cm砲
(35口径砲)で、連装砲塔型式にて4基が搭載され、よって計8門が装備されていた。砲は、総重量13.6トン、全長7m、弾丸重量87kg、
初速587m/sであると
記されている。 巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」は、1884年に起工、翌年に進水、1888年に竣工した。その後1905年の日本海海戦 において対馬沖で沈没した。その乗組員らは長崎県・対馬の茂木海岸に上陸したという。
日本船舶振興会長・笹川良一(故人)がかつてその引き揚げに挑戦した。対馬沖水深96mの海底で同艦を発見、
艦内からプラチナとみられる金属塊10数kg(後にプラチナではないことが判明したといわれる)を引き揚げた。
当時のソ連邦との「ナヒーモフ財宝と北方領土の交換提議私案」は世に物議を醸し出した。
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