一枚の特選フォト「海 & 船」


One Selected Photo "Oceans & Ships"

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伝統的な韓船 (船模型) [韓国・木浦・国立海洋博物館]

韓国南西部の全羅南道に木浦(Mokpo・モッポ)という、黄海に面する漁業の町がある。そこに文化財庁所属の有名な 国立海洋文化財研究所(National Research Institute of Maritime Cultural Heritage)がある。研究所には国立海洋博物館 (National Maritime Museum)が併設されている。

博物館の正面玄関を入りホールを進み行くと、吹き抜けで総ガラス張りの特設展示コーナーがある。陽光がさんさんと注ぎ込む、そのコーナーに 鎮座するのが、この伝統的「韓船」の模型である。その特徴をざっくり記すとすれば、
・ 一本マストに、布製と思われる縦長の四角い大きな一枚帆。
・ 両舷側上部には、操船や艤装操作などのためのスペースと思われる張り出しがある。それはまた、船首尾間の行き来を容易にしている。
・ 木製の普通錨と、木・石混交の錨が、船首部に設置された木製の揚錨機(巻き揚げ機)に繋がれている。重しとしての石板がその両サイドから角材よって はさみ込まれている。船乗りが人力でこの揚錨機の車地を回して錨綱を巻き揚げる。縦(竪)形車地ではなく横形車地である。 例えば、「奈良・平城京歴史館/遣唐使船(復原展示)」と似通った仕組みの揚錨機に見える。
・ 船尾には数枚の板材を組み合わせて造った舵が船尾中央にある。
・ 船首の水切りは、現代の普通の船のように鋭角ではなく、上陸用舟艇のような箱型形状で、その下部は丸みを帯びている。
[2011.09.27.韓国・木浦、国立海洋博物館にて][拡大画像: x24318.jpg]

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[雑記帳] 全羅南道の光州から南西方向へ70kmほどの距離にある木浦。研究所には国立海洋博物館(National Maritime Museum)が併設されている。

研究所の主な活動は、水中文化遺産の発掘・保存・展示・教育である。過去の古い沈没船、伝統的な韓船の復原、海洋 文化遺産の収集・保存、海洋交流史や民族学的研究とともに、海に隠された文化遺産の再発見よって韓国の海洋の歴史・文化を再評価するなどの 研究活動を行っている。

    ○ 第1展示室: 高麗時代の青磁宝船である「莞島船」が引き揚げられ、その部材や高麗青磁、航海用具、船上生活品などが展示される。 高麗青磁の大部分は康津、扶安、海南などで生産されたもので、海路を通じて地方と開京に運送する際に沈没したものである。
    ○ 第2展示室: 中国の商業貿易交易船の「新安船」は、1323年に中国から日本への航海途中新安沖で難破したものである。 船には中国の多様な工芸品、高麗の青磁、日本の陶器、東南アジアの香辛料、薬剤など積載されていた。沈船の船底・船側の部材も展示されている。
    ○ 第3展示室: 各種の伝統的な沿岸漁具、豊漁祭りなどの漁村民族学的な資料、1814年著の海洋水産生物辞典などが展示される。
    ○ 第4展示室: 先史時代から近代までの韓国の船舶史を紹介する。古代船形土器、高麗から朝鮮時代、近代にいたるまでの韓国の伝統船の模型 などが展示されている。

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1 吹き抜けとなった特設展示コーナーの2階から見下ろす。 [拡大画像: x24103.jpg]
2 横形の車地をもつ揚錨機と、木製の普通錨および木・石混交の錨。 [拡大画像: x24319.jpg]
3 木製の普通錨。 [拡大画像: x24320.jpg]
4 博物館の地先の海には実物大の2本マストの韓船などが展示されている。 [拡大画像: x24321.jpg]

関連サイト
・ 世界の海洋博物館−韓国
・ 全羅南道・木浦の国立海洋博物館 National maritime Museum[公式ホームページ]


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