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神奈川県小田原市に「鈴廣」のかまぼこ製造販売所がある。鈴廣は蒲鉾(かまぼこ)づくりと販売の老舗である。その製造販売所に
「鈴廣かまぼこ博物館 Suzuhiro Kamaboko Museum」なるものが併設されている。
博物館では、蒲鉾製造の道具類やその製造工程を紹介する。又、蒲鉾に関する歴史や文化的な側面を説明用パネルやチラシ
を用いて紹介する他、実際の蒲鉾製造設備が透明ガラス張りにされていて、その中で製造にいそしむ職人さんたちが働く様子を観覧できる。
また、蒲鉾の手作り教室なるものが開催され、その製造を体験することができる。
最近、「和食」がユネスコの無形文化遺産に登録されたが、蒲鉾や竹輪などの魚肉練り製品は和食の重要な伝統的食材の一つである。
博物館には21種におよぶ練り製品製造原料魚のレプリカが展示されている。画像はその中でも代表的な原料魚であるスケトウダラである。
スケトウダラは、日本海側にあっては山口県以北に多く分布するが、太平洋側では分布が少ない。水深200~400m辺りに棲息する。
主に北洋 (北太平洋) 海域で底引き網、刺し網などで漁獲されてきた。その身は主に冷凍すり身にされ、蒲鉾などの多様な
高級練り製品の原料とされる。卵巣の塩漬けは「たらこ」として食用に供される。
スケトウダラは「スケソウ」、「めんたい」ともいわれる。英語名: Alaska pollack, walleye pollack, 学名:
Theragra chalcogrammus (Pallas)である。中国語・朝鮮語では「明太魚(めんたいぎょ)」と称される。
博物館では次のように蒲鉾づくりの工程が大変分かりやすく解説されている。
1. 魚を三枚におろす。
2. 身を取る。白身の部分を丁寧に取る。血合い肉が入ると蒲鉾が白く仕上がらない。
3. 水で晒(さら)す。魚の身を水で十分晒し、血液や脂肪を取り除く。蒲鉾の弾力の素になる蛋白質を精製する工程である。
[参考]晒す: 対象物を水に当てながら水洗いをして、目的物以外のものを取り除く。
4. 水を絞る。余分な水分を過不足なく絞り出すという微妙な工程である。
5. 擂る(石臼などで練る)。初めに塩だけで練り、砂糖・みりんを徐々に加えて更に練る。
6. 裏ごす。練り上げられたすり身から小骨やすじを取り除く。
7. 板に付ける。糊状のすり身を気泡が入らないように板に付ける。
8. 蒸す。蒸す時の温度差1度、1分間の差で弾力に大きな違いが生じる。
9. 素早く冷ます。以上9工程。
* 魚肉を擂り潰す機械が開発された明治時代末期の頃までは石臼を用いて人力で魚肉を擂り潰す作業が行われていた。
[2014.1.12 小田原・鈴廣かまぼこ博物館にて][拡大画像: x25850.jpg][拡大画像: x25792.jpg][画像: z19772.jpg]
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