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東京ディズニーシーの「アラビアンコースト」ゾーンに船乗りシンドバッドをテーマにしたアトラクション「シンドバッド・
ストーリーブック・ヴォヤッジ」がある。入館者はボートに乗って、シンドバッドの冒険航海に出掛けるという設定である。
冒険の行く先々での情景をジオラマ風に、かつファンタジックに展開される。次々と展開される舞台の中に意外な人形2体に遭遇した。
それらを何とかズームアップして切り撮った。何と、コードラント (四分儀) で天体観測する人形である。1体目との遭遇後暫くして、
全く予期せず2つの目の人形に出くわし驚きは倍加した。ボートがつねに動いていて、それに薄暗い館内なので、焦点を十分に合わせられ
なかったが、コードラントで観測している様子は十分見て取れよう。冒険航海に出掛けられる時には、この2体の人形にもぜひご注目を
いただきたい。
その昔、大洋航海において船位を定めるためには(特に緯度を知るためには)、太陽や北極星などの天体観測が不可欠であった。
そのための器械として、例えば15世紀末期から16世紀初期にかけて大西洋を西方に向けて航海したコロンブスは、自身の旗艦
「サンタ・マリア号」に天体観測を行なう器械の航海用アストロラーベ (アストロラーブ astrolabe) をもち込んでいたが、実際には
使用しなかったといわれる。翻って、コロンブスは、もっぱらコードラントを用いて天体観測を行なったという。
コードラント (象限儀) は、2つの画像にあるように、四分円の板 (四分儀) で、観測者は2つの覗き孔を通して天体を目視しながら、
その頂部から垂直に吊るした糸が指し示す、弧の部分に刻まれた目盛りを読み取って、その高度角を知るというものであった。
即ち、2つの覗き孔を通して天体を覗き見た「視線」と、その頂部から重力で吊り下げられた糸が作る「鉛直線」とのなす角度をもって、
天体の高度角を算出するというものである。(画像には、その2つの覗き孔がよく写し出されている)
アストロラーベの場合と同様に、コードラントにおいても、動揺の激しい船上で物理的に鉛直線を保持しながら、2つの孔を通して
天体を目視し、その正確な高度角を決定するというのは至難の技であった。船の動揺に影響され、観測誤差を4~5度生じるとなると、
船位決定には何百海里もの誤差が生じることとなる。
参考文献
・ 「海洋文庫丸⑱ 帆船―艤装と歴史編」、杉浦昭典、舵社、1992年、106-112ページ
・ 「航海術 海に挑む人間の歴史 中公新書135」、茂在寅男、中央公論社、1976年、98-113ページ、特に105-106ページ
[2014.4.24 東京ディズニーシー][拡大画像: x25942.jpg][拡大画像: x25943.jpg]
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