海洋総合辞典 Comprehensive Ocean Dictionary, 特選フォト・ギャラリーPhoto Gallery, 手用測程儀・測程器(ハンドログ) hand log, 横浜みなと博物館Yokohama Port Museum

一枚の特選フォト⌈海 & 船⌋


One Selected Photo "Oceans & Ships"

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手用測程儀 (ハンド・ログ)

説明パネルには次のように記されている。
「手用測程儀(そくていぎ) hand log: 船の速さを測る道具。ログシップ(扇形の板)を船の後ろから海中に投げ入れ、一定 時間(14秒または28秒)に流れ出たログライン(ロープ)についている結び目(ノット)を数えて、船の速さを測る。船の速さの 単位ノット (時速1.852km、時速1,852m) はここから来ている。」

「砂時計 sand glass: 手用測程儀で船の速さを測るときに使う。砂時計には船が速力5ノット以下の時に用いるロング グラス(28秒計)と、5ノット以上の時に用いるショートグラス(14秒計)がある。」

船の速力は「節」(ノット)で表わされる。1ノットは1時間に1海里(かいり)航走する速さである。
1海里は地球の緯度1度(=60分)の60分の1の弧の平均の長さ1,852mである。従って、1ノットは時速約1.8kmとなる。
その昔、船側から海に投げ込まれた木材の小片が舷側に沿った一定の間隔を通過する時間によって速力を測定した。
木片(ログ)を流して速力を測るこの方法は、オランダ東インド会社の船が利用したことからダッチマンズログと呼ばれた。
その後、木製の扇形の板(ログシップ)および百数十メートル長の測程索(ログライン)からなる手用測程儀が工夫され、 28秒あるいは14秒砂時計とともに用いられて、船速が測定された。
28秒間に測程索が47フィート3インチ繰り出されたときが時速1ノットとなることから、その長さごとに結び目(節・ノット) を作っておく。この測程索をログシップに取り付けて海へ投げ込み、一定時間に繰り出された結び目の数で速力が割り出される。
昨今用いられる最新式の船速測定装置であっても「ログ」と呼ばれる。また、結び目を使わずに測定された船速であっても、 今もってその単位に「ノット」が用いられている。

* 曳航測程儀 (パテント・ログ)
[参考文献] 荒川博 「帆船への招待」 海文堂、昭和61年、78-80頁.
[2010.03 横浜みなと博物館 (Yokohama Port Museum) にて][拡大画像: x22396.jpg][拡大画像: x22397.jpg]

* その他のログシップの拡大画像あり
*[拡大画像(x22432.jpg)板、ログシップ][拡大画像(x22433.jpg)][拡大画像(x22434.jpg):ロープ。結び目が付けられている] [拡大画像(x22435.jpg): 砂時計][拡大画像(x22436.jpg)][拡大画像(x22437.jpg)][拡大画像(x22438.jpg): 説明書き]

辞典内関連サイト: 世界の海洋博物館-日本


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