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日本丸のフォアマスト、メーンマスト、ミズンマストを見上げると、マストの中間に上下に二つの台(=檣楼)(半月形を
している)が張り出している。これは檣楼(トップ)と呼ばれるものである。その昔、軍船では主に兵士が敵船に向けて弓矢や
鉄砲を放つための戦闘台であり、また見張り台でもあった。日本丸では上のマストを支えるための支索を固定するための台であり、
また作業するための台でもある。
二つの台・檣楼のうち、上方の檣楼にはマストを挟んで両舷側に人間一人が通れるほどの孔が開けられている。画像の檣楼は下方の檣楼であり、
マストの両側の孔は甲板材で塞がれ、ラバースホールがない。檣楼のこの二つの孔はラバースホール(lubber's hole: n.[海]檣楼
(しょうろう)昇降口)と呼ばれ、文字通り訳すと「未熟なセーラー用の昇降口」となる。
下方の檣楼には帆装上ラバースホールが設けられていないことから、ここを登るには檣楼の下部からファトックシュラウズ
という縄梯子を、天を仰ぎながらハングオーバーの姿勢で、檣楼端の上へとよじ登っていく必要がある。 ここを難なく
昇降できるようになるまでには何回もの登檣訓練がいる。
ファトックシュラウズがあるにもかかわらず、ラバースホールをくぐって檣楼の上へと登ろうとすれば、未熟者・臆病者として
笑い者にされたという。
[参考文献] 荒川博 「帆船への招待」 海文堂、昭和61年、36頁
[2010.03.日本丸メモリアルパーク(Nippon Maru Memorial Park)・練習帆船「日本丸」sail training ship Nippon Maru・
横浜][拡大画像: x22568.jpg]
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