形と機能が特殊な「有桿錨」(ゆうかんびょう)という錨をもつ日本丸のような船では、海中から錨を揚げて錨鎖孔にすっぽり
と収錨することができない。このため錨を吊り上げて甲板に収納する。その収納のための装置が必要となる。それをキャットクレーンという。
そのロープをキャットフォール、滑車をキャットテークル、錨を掛けるフックをキャットフックという。
[2010.03.日本丸メモリアルパーク(Nippon Maru Memorial Park)・練習帆船「日本丸」sail training ship Nippon Maru、横浜]
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1. キャットクレーン(主要部)。キャットテークル(テークルtackleとは組滑車のこと→ キャットブロックcat block:cat headに
取り付ける収錨滑車)、キャットフォール(の一部)(cat fall: キャットテークルcat tackleに取り付ける収錨用索)、
キャットフック(cat hook: キャットヘッドcat blockに取り付けた大型の鉄鈎)、アンカー(有桿錨)が見える。
クレーンの近くにはキャットフォール(ロープ)を巻き付けて揚げ降ろしするキャプスタン(車地)も装備されている。
垂直に立っている黒い棒状のものが、有桿錨の「桿」であり、これがあるために錨鎖孔にすっぽりと収錨することができない。
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2. 同上。 [拡大画像: x22718.jpg]
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3. 船首楼左舷甲板上のキャットクレーン(船乗り用語でツル(鶴)と称される。ツルに似ている)と、甲板上に収錨された
有桿錨。 [拡大画像: x22614.jpg][拡大画像: x22690.jpg: 右舷の有桿錨]
4. 右舷側のキャットクレーン(ツル)。 [拡大画像: x22525.jpg][拡大画像: x22526.jpg:説明書き][拡大画像: x22715.jpg:
実習生がキャットクレーンを使って、キャットフォールをキャプスタンに巻き付けながら揚錨の訓練をしている画像]
辞典内関連サイト: 世界の海洋博物館-日本
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