一枚の特選フォト⌈海 & 船⌋
液化天然ガス(LNG)運搬船 「Arctic Discoverer」
天然ガスは多くの場合油田開発の副産物として産出される。メタンを主成分とする。日本の都市ガスには
この天然ガスが使われている。かつて、インドネシア、中東諸国などからこの天然ガスをどう安全に長距離輸送するか、
日本もその技術開発に取り組んだ。その結晶がこのLNG運搬船、あるいはLNGタンカー (liquefied natural gas carrier
or tanker) である。 天然ガスは冷却されると液化し、かつその体積は大幅に減少する。すなわち、天然ガスはマイナス1620Cで液化し、 体積が600分の1に減少する。かくして、 LNG船は天然ガスを液化し、その体積が減少した状態で輸送する。そのため、厳重に断熱が施された冷却タンクを 積載する。冷却タンクはマイナス1620Cの超低温に耐えられるよう、ステンレス、 ニッケル鋼などの低温に強い材料でできていて、その外側は断熱材で厚く被覆されている。画像のLNG運搬船は「独立支持 方式」と呼ばれる構造をもつ。個々の球形の冷却タンクが独立してそれ自身の構造をもって内圧に耐えられる。LNGを貯蔵する 冷却タンクが球形であれば液化ガスの内圧は均等化される。 LNG運搬船「Arctic Discoverer」: 有楽町線・都営大江戸線の「月島」駅構内の通路に掲示された「三井造船株式会社」 (Mitsui Engineering & Shipbuilding Co., Ltd.) の企業広告より。 [2010.11.20][拡大画像: x23095.jpg] |