一枚の特選フォト⌈海 & 船⌋
ウバザメの巨大
画像は東京・銀座6、7丁目界隈のある中華料理店入り口で展示されていた「天九翅」というウバザメの巨大尾鰭のフカヒレである。
まさにこの天九翅はそのレストランの権威を示すものとして展示されている。説明パネルには次のように記されている。
フカヒレは、高級食材としてスープの具となったり、またヒレの形のまま煮込まれる料理の具ともなる。ジンベイザメ、 ウバザメのものが最高級とされるが、アオザメ、イタチザメなどのそれも高級である。一般的にはヨシキリザメのものが食材に 利用される。
日本でサメの水揚げが最も多いのは宮城県・気仙沼漁港である。2011年3月11日の東日本大震災で気仙沼市魚市場周辺も甚大な被害を蒙った。
魚市場のすぐそばにあった海鮮市場「海の市」*の2階には、世界でも珍しいサメ類の展示に特化した
「気仙沼リアスシャークミュージアム」があった。1階には、これも大変珍しい
「氷の水族館」があった。「海の市」も大震災で壊滅的被害を受け残念でならないが、完全復興を願うばかりである。 フカヒレの格にもいろいろあって、サメの種類とその形状と大きさで価格は大きく異なる。ばらばらにほぐしたヒレの「散翅(サンチー)」、 扇のような形をもつ丸ごとのヒレの「排翅(パイチー)」、最高級品としては「天九翅」で、ジンベイザメとウバザメの背びれのみが 「天九翅」とされるという。
ジンベイザメとウバザメの捕獲と国際取引が禁止されているとのことだが、「フカヒレの採取を目的とする」サメ漁に対する規制の
強化に向けた世界の趨勢には今後とも注視したい。
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