海洋総合辞典 Comprehensive Ocean Dictionary, 特選フォト・ギャラリーPhoto Gallery, 深海掘削船グローマーチャレンジャー号deep-sea drillship Glomar Challenger

一枚の特選フォト⌈海 & 船⌋


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米国の深海掘削船「グローマー・チャレンジャー号」

画像は米国船籍・深海掘削船(deep-sea drillship)「グローマー・チャレンジャー号(Glomar Challenger)」である。日本に寄港 した時に船内見学する機会があり、その折に切り撮ったものである。

「グローマー・チャレンジャー号」は、1968年から1983年まで、深海底の深部へ孔を掘って、堆積物・岩石などの柱状試料(コアサンプル) を採取し、海底下の地質、地球の地殻構造などを解明する海洋科学調査に従事した。
因みに、1968年8月から1年間、大西洋中央海嶺を横断しての深海掘削調査を行い、膨大なコアサンプルの年代測定が行われた結果、 海洋底拡大説の実証に大きく貢献した。
15年間にわたる調査従事後の1983年11月にその運用を終了し、1985年に進水した「ジョイデス・リゾリューション号」にその任務を譲った。



国際深海掘削について
* 米国の「モホール計画」は深海掘削によってマントルまで到達することを目標にしたもので、同計画では掘削船「カス1号」をもって 1961年に世界初の深海掘削がなされたが、海底下170mほどのコアを得るにとどまった。

* その後、「モホール計画」は、1968年から「グローマー・チャレンジャー号」(oceanographic research drilling vessel)を 用いた米国主体の「深海掘削計画」(Deep Sea Drilling Project; DSDP)に引き継がれた。

* 深海掘削計画は1975年からは国際化され、米国国立科学財団(National Science Foundation; NSF)が主導しての「国際共同 深海掘削計画」(International Phase of Ocean Drilling; IPOD)が開始された。

* その後、1985から2003年まで、米国が主導しての「国際深海掘削計画」(ODP)が実施され、22か国が参加した。 なお、1985年からは「ジョイデス・リゾリューション号」が用いられた。
これらの計画はプレートテクトニックス理論の証明など地球科学の発展に多大な貢献につながった。

* ODP後の新計画として、2003年10月から、米国・日本の国際協力プロジェクトとして「統合国際深海掘削計画」 (Integrated Ocean Drilling Program; IODP)が開始され、後に欧州諸国12か国および中国が参加した。 日本からはライザー方式と呼ばれる掘削システムをもつ地球深部探査船「ちきゅう」が同計画に参画してきた。
海洋地殻の拡大・移動、過去における地球の気候・環境変動などのさらなる究明つながるものと期待されている。

[2013.9.24][拡大画像: x25472.jpg]

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1. 船上に整然と積み上げられたケーシングパイプ。 [拡大画像: x25474.jpg]
2. 柱状試料の科学的分析などを行なう船内ラボ。画像中央の卓上に柱状試料が置かれている。 [拡大画像: x25475.jpg]


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