|
添付の地図では滋賀県側の等高線は省略されており、その地形を読み解けない。
疋田集落や新疋田駅のそばを日本海方面へ流れ下る五位川と、琵琶湖畔の塩津浜へ向けて流れ下る大川との間には、
標高400~500メートルの尾根筋(深坂トンネルの北域あたり)が続いている。標高が最も低いのが深坂峠であり、200メートル余である。
2
2. 近江塩津駅から敦賀方面を臨む風景。鉄路正面奥に見える尾根筋を右方向へほんの少し辿れば「三方ヶ岳」(標高588m) の山頂である。
画像中央から左端まで伸びるこんもりとした尾根筋は「日計山」(ひばかりやま・411m)へ通じる。
線路の左側 (西側) には国道161号線が走り、その道路のすぐ左側には大川が流れる。大川、鉄路、国道のいずれも三方ヶ岳と日計山
との間の谷筋を行く。(大川は塩津中を経て、湖畔の塩津浜で琵琶湖に注ぎ込む)。
北陸本線は近江塩津駅からすぐに「深坂トンネル」(長さ約5km) に入る。大川はそのトンネル経路にほぼ平行して遡上し、
日本海側との分水嶺にいたる。「深坂峠」がその分水嶺であり、また大川の源流でもある。正に深坂峠の直下をトンネル
が通る。峠を登りつめ下り行くと、五位川の中流域に出る。
五位川を下ると街道集落・疋田にいたる。五位川は、疋田の近くで、本流の「笙の川」(しょうのかわ) と合流し、敦賀湾へと流れ下る。
[拡大画像: x28075.jpg]
3
3. 画像は電車が「新疋田」駅に停車した場面である。正面に2つのピークが見える。右側のピークは標高295m。その左側のピークは
標高283mであるが、電車のフロントの縦梁に隠れている。五位川は鉄路の右側を敦賀方面へと流れ下る。笙の川はその2つのピークをつなぐ
尾根筋方向に流れている。
両河川はピーク295mの下方あたりで合流している。疋田集落はその合流点近くの、笙の川西岸に位置する。 [拡大画像: x28076.jpg]
4-1
4-1. 画像は街道集落・疋田の風景である。幅1メートルほどの水路は、街道に沿って敦賀方面へと流れ下る「敦賀運河(疋田舟川)」の
跡である。疋田舟川の歴史の概略を紹介する史跡案内立札をご参照下さい。 [拡大画像: x28112.jpg]
4-2
4-2. 画像はJR新疋田駅から北へ400mほどの国道 (161号線) から近江方面 (追分、深坂) に向かって五位川谷筋を眺望したものである。
JR北陸線「深坂トンネル」入り口が画像左から2つ目の山裾 (追分村) にある。また、画像左から2つ目の谷間を遡って行くと深坂峠
(日本海側と琵琶湖側の分水嶺)にいたり、それを下ったところが大川の源流である。 [拡大画像: x28116.jpg]
5
5. 疋田から1km余下った「市橋」辺りから疋田方面を振り返えり眺望する。画像右寄り手前のこんもりとした山の背後に
疋田集落がある。疋田集落そばの笙の川・五位川合流地点から、五位川の谷筋を上流へたどると新疋田駅へ、そして追分、深坂、駄口の集落へ
とつながる。画像からは疋田集落の周囲数km内の地形の概略を読み取れよう。
運河を通すとすれば、日本海側にあっては、この五位川、および本流の笙の川に沿って開削することで実現するように見て取れる。
他方、琵琶湖側においては大川である。五位川と大川は互いに反対方向へと並行して流れ下る。そして、両河川をはさんで髙い尾根筋が
走るが、最も低いのは標高200m余の深坂峠である。この深坂峠の下を貫通するトンネル運河(隧道)を掘り貫くという計画が、江戸後期
にあった。(笙の川と大川とを結ぶルートもありうるが、距離はかなり伸びる)。
標高200m以上の尾根筋を数kmにわたって開削(オープンカット)するだけでなく、その両側に横たわる標高数m~150mほどの川筋を10km以上
にわたり開削するのは、現代においても骨の折れる大工事である。たとえ開削できたとしても、船を通航させうるだけの
水資源をどう確保できるのか、大きな技術的課題である。開削して琵琶湖の湖水を日本海方面へ直接的に運河に流し込むとすれば、
全経路において更なる深掘りを要することになろう。
舟が運河の流れに抗して遡るというのであれば、何らかの動力が必要となる。閘門式の水門を幾つも建設して「水の階段」を
造作することも必要となろう。インクライン方式での昇降もありうるが、舟を台車に載せて曳き上げるには、電気や頑丈な大歯車など
がない時代においては、その実現は難しかろう(牛馬の利用はありうる)。また、閘門式水門の開閉を人力でするとすれば、
水門規模や舟の大きさに自ずと制限が生じる。
運河建設が技術的には実現可能であっても、その経済採算性や社会・環境的問題が立ちはだかれば、実現は遠のくことになる。それはいつの
時代であっても当てはまろう。 [拡大画像: x28077.jpg]
6
6. 市橋から1kmほど下流側にある「小河口(おごう)」辺りから敦賀方面を眺望する。笙の川が鉄路と国道161号線との間を流れ下る。
画像奥の谷間に架かる「舞鶴若狭自動車道」の陸橋を過ぎれば、海岸平野となり、敦賀の市街地が広がり、川は敦賀湾へと注ぎ込む。
[拡大画像: x28078.jpg]
7
7. 舞鶴若狭自動車道陸橋をくぐる直前に、笙の川の上流方面を眺望したもの。この直後に、川筋は平野部に出る。左岸には国道161号線が
通る。 [拡大画像: x28079.jpg]
|