中米ニカラグアの太平洋沿岸の小さな漁村ラ・ボキータ (La Boquita)。そこは「華麗」、「セレブ」などの言葉とは無縁の世界である。
「のどか」、「素朴」、「牧歌的」というのがぴったりである。
海岸沿いに椰子の葉っぱで葺いただけの掘っ立て小屋のような「レストラン兼海の家」が7、8軒立ち並ぶだけである。
週末の今日、都会からやって来た人々が思い思いに憩う。レンタルの馬で浜をのんびり散歩する人。海辺で砂(泥?)遊びに興じる親子連れ。
そこは火山国のニカラグアでのこと、白砂ではなく火山灰で黒ずんだ、泥のような砂を掘り起こしている。母親を埋め込もうと泥砂を掘り、
時に母親に泥を塗りたくろうと夢中になる子供たち。だが、途中で塗るのを諦めたらしい。母親の身体が余りに大きくて、さすが
「完全塗装」するには大変とちゅうちょしたのだろうか。それとも真白い T シャツをこれ以上台無しにするのを、親が止めさせたのか。
恐らく、子供の方が諦めたのであろう。少女は、今度は、自分の脚に泥を塗り始めた。
透き通るような青空が広がり、波穏やかな太平洋の岸辺にて、心平和にして、リッチなひと時を過ごすことができた。
大海の遥か彼方に故郷あり。
我ずっと単身なれど、今日は遥か向こう岸より懐かしき友来たれり。3人して、楽しく、心和やかに過ごす安息日と相成り候。合掌する。
[2009.03.28踏査][拡大画像: x24096.jpg]
ラ・ボキータは、中米ニカラグア国の太平洋岸の小さな漁村カサレス (Casares) のすぐ近くにある。首都マナグア (Managua) から
南西の方角に位置する。マナグアから国道2号線 (国際縦貫道路パンアメリカンハイウェイの一部。南方へ下るとコスタリカへ通じる)
を走って、カラソ台地という高みにある町エル・クルセーロ (El Crucero) を経て、さらにディリアンバ (Diriamba) へ。
そこで右折れして地方幹線道路 (2009年には完全舗装された) を通って太平洋岸へ向かう。マナグアからカサレスまで車で約2時間くらいの
行程である。そのカサレスのすぐ北隣にラ・ボキータがあるが、いわば首都近郊の海水浴場といった感じで、海岸沿いに「海の家」風の
シーフードレストランが立ち並んでいる。
綺麗な半円形をした、箱庭のような小さな凹形の海岸があることで有名で、知る人ぞ知る名所である。
この地形を含む海岸一体は「ラス・コルティーナス」 (Las Cortinas) と呼ばれている。「cortina」とはスペイン語で、
カーテン、幕、垂れ幕、幕状の物などの意味である。満ち潮になると、海水がこの凹地に入って来て一枚の幕のように見える。
潮が入り込んで来るそんな凹地が海岸線沿いにいくつも連なり、いかにもカーテンを広げたように見える。
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1. 砂遊びする親子連れ。 [拡大画像: x24097.jpg]
2. ニカラグアでは、いずこの海辺でも原色多彩な漁撈用ボートが並ぶ。「ハーフ・ムーン」は画像中央のコンクリート法面の
下辺りにある。 [拡大画像: x24098.jpg]
辞典内関連サイト
・ 世界の海洋博物館/中米・ニカラグア
・ ニカラグアの海と船のある風景 [2] [2007-2009]
・ 中米ニカラグア運河
・ ニカラグア運河の旅: サン・ファン川、サン・カルロス~エル・カスティージョ
[200902.20-22]
・ ニカラグア運河の旅: エル・カスティージョの博物館
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