中米諸国のニカラグア、グアテマラ、エルサルバドル、コスタリカ、パナマなどは、石油・天然ガスなどの化石燃料のほとんどを
海外輸入に依存する。従って、水力、風力、ソーラー、地熱などの再生可能エネルギー源の開発・利用促進は今後も重要な国家課題である。
ニカラグアの主要エネルギー源は石油であり、電力供給はほとんど火力発電によるものであるが、再生可能エネルギー開発にも
取り組んできた。
・ ニカラグアも環太平洋火山帯に位置することから、地熱発電にも取り組み、現在、地熱発電所がマナグア湖畔のモモトンボ火山
(Volcán Momotombo) の麓にて稼働している。
・ 水力においては、ニカラグアは中米諸国の中でもその利用率が最も低い国である (2009年時点)。しかし、ニカラグアには
多くの大小河川が存在し、その開発利用のポテンシャルは高いものがある。
・ リーバス地峡(地図参照)において、10基以上の風車が設置され商業的発電が行われている(2009年)。同地峡は、
ニカラグア湖と太平洋との間に位置する(ニカラグア湖は琵琶湖の13倍ほどの面積をもち、現地では「静かな海」と称される)。
もっといえば、大西洋(カリブ海)と太平洋との間に位置している。ニカラグアの緯度においては、1月の冬期でも、
7月の夏期でも、同地峡をはさんで大西洋(カリブ海)側から太平洋側へと吹く北東貿易風が卓越している。
ニカラグアにとって、太平洋と大西洋とを結ぶ船舶通航たのための「両洋間運河建設」はなおも積年の夢であるが、2009年には
まずは太平洋と大西洋との間の地峡を吹き抜ける「両洋間貿易風」を利用することに成功したといえる。
画像の写る富士山のような円錐形の山は、ニカラグア湖に浮かぶひょうたん形のオモテペ島にそびえる2つの火山のうちの1つで、
海抜1600mのコンセプシオン火山 (Volcán Concepción) である。もう一つは画像には写っていないが、
右側に海抜1300mのマデーラス火山 (Volcán Maderas) がそびえる。
コンセプシオン火山と風車との間にはニカラグア湖が横たわっている(下の画像2参照)。
[2009.04.05. 中米ニカラグア、ニカラグア湖畔の町ラ・ビルヘン付近にて][拡大画像: x24165.jpg]
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中央に見えるのがニカラグア湖。中南米では、ボリビアのチチカカ湖に次いで2番目に大きな湖である。琵琶湖の13倍の面積をもつ。
湖中のヒョウタンのような島はオモテペ島 (Isla de Ometepe)。淡水湖に浮かぶ島としては世界最大といわれる。
湖の東南端からサン・ファン川がカリブ海へと流れ下る。また、湖の東南端にある米粒のような島嶼群はソレンティナメ群島
(Archipiélago de Solentiname) である。 [拡大画像: x23963.jpg]
地図1
左下の海は太平洋。右上はニカラグア湖である。左上端に首都マナグア(ピンク色)がある。右下のピンク色は隣国のコスタリカである。
ひょうたん形のオメテペ島の下に「Rivas」の文字が見える。ここがリーバス地峡である。「Rivas」の文字下に錨マークのある地が
サン・ファン・デル・スールである。(拡大地図2参照)
[拡大画像: x24036.jpg]
地図2
画像中央にリーバス(Rivas)が見える。その下方にブリット (Brito) の集落 (●印) とブリット川がある。その右方に湖畔の集落
ラ・ビルヘン (La Virgen) とラス・ラッハス川 (Las Lajas) が見える。ニカラグア政府の計画する「ニカラグア運河」ルートの
うちのリーバス地峡ルートはこの両河川を結ぶラインに沿っている。
[拡大画像: x24051.jpg]>その他関連地図[拡大画像: x24037.jpg & z18222.jpg]
出典: El Instituto Nicaragüense de Estudios Territoriales (INETER)発行の25万分の1地図「Mapa de la República de Nicaragua」
(2004年)
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1. 風車のズームアップ。 [拡大画像: x24166.jpg]
2. ニカラグア湖畔の町ラ・ビルヘン近くの海水浴場からオモテペ島コンセプシオン火山を遠望する。 [拡大画像: x24167.jpg]
辞典内関連サイト
・ 世界の海洋博物館-中米・ニカラグア
・ ニカラグアの海と船のある風景 [2][2007-2009]
・ ニカラグアの彩色世界
・ ニカラグア運河
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