この標本の解説パネルには次のように記されている。
「コバルト・クラスト: 玄武岩やリン灰石などの表面に有用金属がクラスト状にこびりついた鉱物です。東海大学丸二世が、
1985年12月に南鳥島南方の海山から採集しました。」
また、別の二つのパネルには次のように記されている。
<1)「コバルト・クラスト: 深海底鉱物資源として、現在開発が進められているマンガン団塊
や熱水鉱床
のほかに期待されているのが、1981年にハワイ南西海域で発見されたコバルト・クラストです。マンガン団塊より
3~5倍もコバルトを多く含み、しかも、マンガン団塊よりも浅い水深1,000~2,500メートル
の海山中腹斜面に分布し、採取が容易であるため、その開発が注目されています。」
(2)「東海大学とコバルト・クラスト: 1985年12月、「東海大学丸二世」(702トン)は南鳥島南方の海山を調査し、
コバルトを多量に含んだ良質のコバルト・クラストを発見しました。コバルトは先端技術を支える金属で、わが国ではほとんど
を輸入に頼っています。日本の200カイリ経済水域内でのコバルト・クラストの発見は、将来の海底鉱物資源として注目
されています。」
[拡大画像: x21916.jpg][拡大画像: x22161.jpg: 解説パネル(1)][拡大画像: x22162.jpg: 解説パネル(2)]
[2010.03.東海大学海洋科学博物館(Tokai University Marine Science
Museum)にて]
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1. コバルト・クラスト実物の展示風景 (手前の容器内) [拡大画像: x21917.jpg]
2. 海山の断面図に示される赤い部分は基盤岩・火山岩類、黒い部分は石灰岩、白い部分は堆積物である。クラストが
賦存する下限は水深2,300~2,400mとも記されている。 [拡大画像: x21918.jpg]
辞典内関連サイト: 世界の海洋博物館-日本
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