一枚の特選フォト⌈海 & 船⌋
「ニカラグア運河の夢」、サン・ファン川ルートで出会った風景
~ サン・ファン川、生活に欠かせない「水の幹線路」 & 物売りカヌー ~
[前ページから続く] サン・カルロスから「水の幹線路 (ウォーターウェイ)」のサン・ファン川を
下る乗合船・水上定期バスが出ている。
ニカラグアの田舎での朝は実に早い。確か午前6時過ぎの船出であった。
観光客も乗船するが、ほとんどが川沿いと、その近傍の村々に住む家族のもとへ帰る人々である。 サン・カルロスを出て、15分ほどで「サンタ・フェ橋」建設予定地を通過した。現在は、はしけが両岸を行き来している。 2013年頃に完成すれば、パンアメリカン・ハイウェイの迂回路ができ、コスタリカへとつながる。 その後小一時間走った頃に、船足が急に遅くなった。朝食もほとんど食べていない。早朝から乗船に向けて張り詰めていた緊張感がとれて、 ちょうど空腹感を感じる頃であった。気が付くと、刳り抜き舟タイプの船外機ボートが我々の乗合船の舷側にぴったりと 横付けしながら走っていた。大勢の人が弁当らしきものを調達していた。まだ先は長い。腹ごしらえをして気を入れ直すのに ちょうど良いタイミングでの物売りカヌーであった。 道路のようにガソスタ、ドライブインや「道の駅」があるわけではなく、 トイレ休憩もままならない。次の町まで行かないと「川の駅」はない。川の駅といっても簡素な船着き場があるだけであるが、、、、。 とにかく、のんびりとした優雅な船旅である。船端で心地よい風を浴びながら、ゆっくり通り過ぎる自然を眺める。 船のエンジン音だけが耳に入る。動きといえば、時折いろいろな鳥が岸沿いを飛んで行くくらいである。 岸沿いにはたいてい放牧地が広がり、時折牛の姿を見かける。 実にのどかで牧歌的であると一人感傷に浸るのだが、ニカラグア人の乗客にとっては退屈なものであろう。 私には自然と一体になったような気分である。ありがたいことに、移りゆく同じような景色を眺めていても、興味津々にして 飽きることはない。 [次ページへ続く]
[2009.02.20-22 ニカラグアのサン・ファン川にて][拡大画像: x21236.jpg]
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