一枚の特選フォト⌈海 & 船⌋
「ニカラグア運河の夢」、サン・ファン川ルートで出会った風景
~ サン・カルロス港での桟橋風景/魚の干物を運搬する少年 ~
[前ページから続く] 中米ニカラグアのニカラグア湖南東端の町サン・カルロスの港での風景である。
首都マナグアからサン・カルロスへは、車では12、3時間はゆうに要する。
アコヤパからサン・カルロスまでの150kmほどは未舗装の悪路のためである。バス便は1日5、6本はあるが、時間はかかる。
定期航空便は日に2便あり、1時間半くらいで飛ぶ。船便はニカラグア湖北西端にある古都グラナダから週数便あるが6、7時間はかかる。 サン・カルロスはコスタリカと国境を接する同国南東部の辺境地域の中心地である。ありとあらゆる生活物資および農牧水産業の生産物の 集散地である。カリブ海に注ぐサン・ファン川沿いでの集散活動はほとんど舟運で行われる。サン・ファン川両岸に点在する、 小さな町々、村落、あるいはリゾートホテルなどに立ち寄るパンガ(panga)と呼ばれる乗合船が行き来する。 ただし、カリブ海とサン・ファン川との合流点に位置する町サン・ファン・デル・ノルテ (San Juan del Norte。 現在は San Juan de Nicaragua が正式名称となっている。英語の別名はグレイタウン・Greytaownである) までの定期便数は極めて 限られている。乾期には水嵩が減少し、河口から10kmくらい上流域で土砂がひどく 堆積する箇所が出現する。そこでは喫水の浅い平底舟であっても通航が困難となり、乗船客らは13、4時間の旅を覚悟せねばならないであろう。 パンガをチャーターしてほとんどノンストップで下る場合には、川の水嵩さえ確保されているのであれば、6、7時間で行き着けよう。 それでも、時期によっては土砂のひどい堆積と水嵩の減少のために全員がボートから降りて押す羽目にでもなれば、6、7時間という訳には いかない。 埠頭では、少年が、ボートから陸揚げされた魚の乾物を山積みにした荷車を引いて行く。下流に向うボートには、炭酸飲料、 ペットボトルの飲料水、小麦粉、食塩、トイレットペーパー、電気製品、マットレス、ガスボンベ、塗料缶などなど、ありと あらゆる日常生活用品・建築材料などが積み込まれようとしている。 [次ページへ続く]
[2009.02.20-22 ニカラグア、サン・カルロスにて][拡大画像: x21235.jpg]
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