一枚の特選フォト⌈海 & 船⌋
「ニカラグア運河の夢」、サン・ファン川ルートで出会った風景
~ サン・ファン川乗合船の右舷緑灯 ~
[次ページから続く] ニカラグア湖南東端にあるサン・カルロスからサン・ファン川
を下るには公共輸送手段である乗合船(panga)のお世話になる。約50人乗りで、座席はどれもプラスティック製の硬い椅子である。
また、座席間隔は狭く、長時間の旅では結構つらいものがある。 サン・ファン川の幅は全般的にゆうに200mはあり、また舟の往来は少ないので、素人目には水上衝突事故の発生はほとんど考えられない。 だが、特に雨期(5~10月頃)においては、突然黒雲が垂れ込め、猛烈なスコールが襲い掛かかり、視界がひどく悪化する。 こんな悪天候時の航行では、事故も起こりやすくなるので、気が引き締められる思いである。 50人乗りの大型乗合船では、その屋根から半透明のビニールシートを船側に垂れて、雨風が吹き込まないようにする。 10人乗りほどの小型ボートではそんな覆いはない。乗客は細長い厚手の大きなビニールシートを船首から船尾に かけて渡してもらい、その下に潜り込む他ない。皆してシートの端をもって、姿勢を低くして風雨であおられないように、 シートをしっかり抑え込まないといけない。これを一時間もやっているとかなり疲れる。 ところで、こんな豆電球のような舷灯 (航海灯の一種)で役に立つのか心配になる。ないよりましだと思ってしまう。 だが、通常の夜間においてはこの灯りが頼りである。左舷に紅灯、右舷に緑灯なのは世界共通のルールである。 夜間船に灯光がないのは存在しないのと同じである。 豆粒のようなランプであっても、夜間航行する場合、自船の存在、およびその航行 姿勢・状態・位置を識別してもらうのに不可欠である。自船からすれば、前方にある他船が自船と同じ方向に航行しているのか、あるいは 自船に向かって来るのか、いろいろ判別できることになる。 それに、白色全周灯を操舵室の上に装備している。夜間、川中で停船あるいは錨泊する時には点灯せねばならない。ほよど悪天候ならば、 船首・船尾に装備された探照灯が灯光され、船首灯・船尾灯として役立つことになる。どの船も、ライフジャケットだけは座席下や天井に 装備していて、安心である。 [次ページへ続く] [2009.02.20-22.ニカラグア、サン・ファン川ボカ・デ・サバロスにて][拡大画像: x21272.jpg] |
1![]() ![]() ![]() ![]() 1. 豆粒のような小さな舷灯 (右舷・緑灯、左舷・紅灯) が見える。 [拡大画像: x21273.jpg] 2. 図1の拡大。右舷の緑灯が見える。その隣には探照灯がある [1&2:サン・カルロスにて]。 [拡大画像: x21274.jpg] 3. 操船ブリッジの屋根の両側に豆粒のような小さな航海灯の舷灯が見える (右舷側に緑灯、左舷側に紅灯)。ブリッジ屋根の中央部に 魚のアンコウの提灯のような白色全周灯が見える。その手前には船首灯にもなりうる探照灯が見える。 [拡大画像: x21275.jpg] 4. 緑灯のように見えるが、左舷・紅灯である [3&4:ボカ・デ・サバロスにて]。 [拡大画像: x21276.jpg]
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