平素より、ウェブサイト「海洋総合辞典」に多大なご関心を賜わり大変ありがとうございます。また此度、「海洋辞典」を継承する次代の編さん者
の公募案内にご訪問頂き誠にありがとうございます。さて、1990年代中頃に到来した「インターネット時代」以降、海洋辞典をネット上に一般公開して
参りましたが、諸般の事情により、本辞典づくりのバトンを引き継いで頂ける次代の編さん者(2代目)一名を公募することになりました。
海が大好きで、海にまつわることなら何でも知的好奇心をもって接したいという方。海にまつわる語彙拾いに取り組む意欲や情熱をおもちの方。
わくわく感をもって海洋辞典づくりを楽しめる方や楽しみたい方。英語能力に自信をおもちの方で、その他特にスペイン語、フランス語、ポル
トガル語のいずれかに素養があり、これからも学びながら、その語学能力の向上に前向きに取り組む意欲と情熱をおもちの方。生涯にわたりご自身のライフ
ワークとして、また非営利目的のボランティアワークと位置づけ(本業とするのではなく)、辞典づくりに情熱を燃やし続けられる方一名を募ります。
辞典づくりは根気のいることです。そして、何十年か継続することが何よりも必要とされます。一日30分、せめて15分でも、余暇時間の中で、
海にまつわる語彙や事項についてネットサーフィンしたり、海にまつわる定期刊行物の記事や論文を読んだり、専門図書や外国語文献を紐解いたりしながら、
海に関する日本語の一つ一つの語彙について、「英語・仏語・西語などでは何というのか」という問いかけをしながら(あるいはその逆を問いかけ
ながら)、それらを書き留め、調べ、海洋辞典をアップデートし、「進化」させて行くというのが、辞典づくりの基本であり、また楽しみ
とするところです。
辞典づくりに終わりはありません。辞典づくりには、何時の時点をとっても「完成の完」はありません。あるのは、ある時点をもって
自己設定する一区切りをつけて、「中締めの〝未完の完″」を自己宣言して締めくくることです。自らが辞典づくりの「中締めの〝未完の完″」
の宣言をするまで、何十年にもわたり、何時でも何処でも、海のことに興味をもち語彙拾いを楽しみながら、気長に取り組んで頂きたいと思います。
語彙拾いによる辞典づくりにわくわく感をもって楽める方こそが、この辞典づくりの編さん者に相応しいと信じます。
楽しむことはまた辞典づくりの原動力そのものです。是非楽しみながら海洋辞典を「進化」させ続けて頂きたいと切望します。たとえ牛歩の足取りであっても、海洋辞典を「進化」させ、
いつしか次の世代へとバトンをつないで頂ける方に辞典の一切をお譲りします。
1996年にウェブ海洋辞典を創始して以来数十年ネット上に一般公開してきましたが、本辞典づくりをもっていかなる収益を得ようとしたことも、
また実際に得たこともありません。将来も、この基本方針の下で、海洋辞典が広く一般公開され続けることを切望して止みません。
ドメイン登録やレンタルサーバーの経費をはじめ、パソコンなどのハードウェアやネット通信経費などのすべての維持費を編さん者ご自身に
自己負担していただくことになります。
辞典づくりで得られるものがあるとすれば、それは唯一つしかないと思われます。それも無形のものです。「世界オンリー・ワン、そしてナンバー・
ワンのオンライン和英西仏葡語・海洋総合辞典」づくりを目指して取り組み、世界に向けて発信し無償提供すること、もって日本が「海洋立国」として
発展する上で何がしかの寄与につながるという「誇りと名誉」だけでしょうか。
現代における人工知能(AI)や異言語間の翻訳技術を含めて、情報技術の進歩は目覚ましいものがあります。しかし、他の数多の辞典や辞書
の類にも当てはまることですが、人工知能が為すことの真の正しさを究極的に検証するのは人間自身でしょう。
その検証には「原典」としての辞典・辞書がつねに必要不可欠となるのではないでしょうか。今後はさらに、人間と海とのより良い関係を築く
ための「視座」や「座標軸」を思索する上で、海洋辞典が一つの「起点」となることを願っています。海語は無限的に存在し、故に海洋辞典
の伸び代は、未来に向けて無限大に広がっているに違いありません。
応募要件や方法などを記した「公募要領」については下記の通りです。つきましては、海洋辞典づくりの次代のボランティア編さん
者にご応募いただけることを期待しています。ウェブサイト海洋辞典のトップページ最下段の「海洋辞典づくり雑録ノート」の中の第17章
第3節「辞典づくりの若干の「系譜」と「思い」について」、第5節「辞典づくりの後継候補者の要件を深掘りする」、第6案「後継編さん者への
5つの特別のお願い」などについてもご覧いただければ幸いです。
辞典づくりに情熱をもって真摯に取り組んでいただけるボランティア編さん者に巡り会い、そして、辞典づくりのバトンを手渡わたし、その未来が
託され続けることを切望しています。