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    第16章 「自由の翼」を得て、海洋辞典の「中締めの〝未完の完"」をめざす
    第3節 理想と現実のはざまで「選択と集中」に取り組む(その1)


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      第16章・目次
      第1節: 嘱託として「健康管理センター」に勤務する
      第2節: 東日本大震災、早期完全離職の決断を後押しする
      第3節: 理想と現実のはざまで「選択と集中」に取り組む(その1)/辞典たるゆえん
      第4節: 理想と現実のはざまで「選択と集中」に取り組む(その2)/データベース&フォトギャラリー
      第5節: 理想と現実のはざまで「選択と集中」に取り組む(その3)/新しいビジョン&チャレンジ
      第6節: 「中締め(2020年)の〝未完の完″」をめざして/辞典の締めくくり
      第7節: ウェブ辞典の承継者探しと真剣に向き合う

    序章~第14章 | 第15章 第17章 | 第18章~最終章


  遂にJICAから完全離職した。毎朝、背広を着てネクタイを締めて通勤電車に揉まれることはなくなった。JICAに奉職して約35年(1976年11月~ 2011年3月)、遂に別れを告げることになった。万感の思いであった。発展途上国への技術協力、「国づくり人づくり」を天職と心得て、 またそれを誇りにしながら奉職できた。海外勤務の10余年間を除いて、ほとんど新宿通いの毎日であった。自由人としての新しい生活スタイル に慣れるまで、何となく落ち着かず物足りない感を抱くのは止む得なかった。人生で初めて期限のない自由な時間をもつことができた。 両肩から全ての重しが取れて身軽となった。何とも言えない爽快さも込み上げてきた。「自由の翼」を得たような喜びを噛みしめることができた。他方で、凧の紐が切れたように、大空髙く舞い上がった まま地上へ戻って来れないかのような不思議な感覚にも襲われた。かくして、24時間、12ヶ月、365日、自身で自らを律するしかない生活に向き合う という、初めての楽しそうな人生が始まった。

  未だ年金を満額受給できる開始年齢には達していなかった。多少の減額受給となることを覚悟して、もらえるものは有り難く すぐに受給することにした。直近までのJICA常勤嘱託の俸給は想像以上に少ないものであったが、責任の「重さ」からすれば、俸給額は釣り合いの 取れた自己納得の行く「重さ」であった。少ない俸給でも我が家計としては大いに助かるものであった。満額受給開始年齢になる以前から受給する 場合と、それ以後において満額受給する場合とでは、生涯的にどの程度の金額上の差が生じるのか、全く気にもせず決めた。完全離職してすぐさま 受給しても、年金と退職金とで細々ながら何となく生活していけると、勝手に思い込んでのことであった。突然の心臓発作の再発か何かで、 ほとんど年金受給実績のないまま急逝したりする場合も大いにありうる。年金保険料をしっかり納め、国家に貢献しただけとなるのも、 ありえる人生である。先輩や同僚がそんな不遇に見舞われた事例を幾つも見てきた。今後は倹約に心掛けながら、質素な年金生活を送ることで 何とか済ませられそうという思いで、生涯年金受給額上のありうる大差を気にせず、すぐさま受給することにした。思いとしては、余命何年あるのか 分からないが、JICA奉職に区切りをつけて、辞典づくりにできるだけ多くの時間を割きたかった。

  「自由の翼」で羽ばたいて、やりたいことを好きなだけやることにした。自由の身となって、やりたいこと、やらねばならないことに 向き合うために、あれこれと自在に思い巡らした。その一つは、オンライン海洋辞典づくりに真正面から向き合い、それを「進化」させることであった。 その二に、海外や国内の海、船、港、魚や鯨などにまつわる、あちらこちらの歴史・文化・自然科学的な諸施設を訪ねることであった。 海や港などの今まで目にしたことのない風景に接し、時にそんな被写体を写真に切り撮ってもみたい。家計を助けるためにどこかで働く ことよりも、これからは「隠居的生活」を楽しみながら、命が尽きる前に、好きなこと、やりたいこと、やるべきことに取り組みたかった。 その方が、心の満足度は圧倒的に高いと思った。表現は悪いが、家計のために時間の切り売りをすることは、できることならしたくなかった。 ニカラグアで奇跡的に授かった「おまけの命と人生」を大切にしながら、自身の夢と目標を追い続けるために事に当たろうと決意した。辞典づくりに どれほどの余命を割くことができるかは神のみぞ知るところであるが、それに余命を最大限投入することを決意をした。

  人生何が起こるか分からない。思い描くことをやり終えることなく余命が燃え尽きてしまうかもしれない。そうなる前に早目に取り組みたい。 そして、辞典づくりについて言えば、自己納得できる何らかの区切りをつけたうえで、その先の世界に進んでみたい。今後5年でも10年でも、自分のやりたいことを、 とことんやることにしたい。やりたいことはやっておくことで悔いのない人生を送りたい。やり残しがないよう、手遅れにならないよう、辞典づくりに それなりの区切りを付けておきたい、という思いであった。「自由の翼」を得た今、明日がいつものように確実にやって来るものと錯覚し、 時を無為に過ごしたくはなかった。想定外の病気や不慮の事故、自然災害などに遭遇し、命が突然断たれることも起こりうる。それは人の世の常である。 今日は元気であっても、明日の陽光を拝むことができないこともありうる。ニカラグアで一度死んだも同然の体験をした者にとっては、 余命が5年、10年はあると考えるほど悠長に過ごす訳にはいかなかった。

  さて、離職後辞典づくりの何にどう取り組むかであった。毎日が日曜日という自由人的な生活は人生で初めての経験であった。大いに希望に 燃えた。辞典づくりにどうじっくりと向き合い、どう「進化」させるのか、どこを着地点と描くのか、いろいろ見詰め直し模索することにした。 先ず、辞典づくりの過去の取り組みについて大局的に振り返った。事は1986年を起点にしたアルゼンチンでの語彙拾いに始まり、離職した 2011年までの辞典づくりの足跡をざっくりと辿った。そして、現行のホームページ「海洋総合辞典」を隅から隅まで何度もまじまじと見詰め 直した。そして、徐々にではあるが、いろいろと見えて来るものがあった。

  当初は、直接・間接的に海にまつわるあらゆる語彙をがむしゃらに片っ端から拾い上げてきた。そして、当初の海洋語彙集を インターネット上にホームページとしてアップし世界に発信するという、今までとは全く次元が異なるステージを迎えた。その時に、その名称を 「海洋辞典」とし、しかも「総合」という冠を付けて「海洋総合辞典」とした。辞典にて取り扱う対象語彙を最大限広く定義することで、 「語彙の総合化」を目指すことにした。

  直接的であれ間接的であれ、わずかでも海にまつわる語彙であれば、全て拾い上げることを目指した。 海に少しでも関わるか、あるいは繋がりをもつか、更には、海に繋がって行く可能性が少しでもありそうな語彙について拾い上げることにした。 「海語」とはそのような語彙を定義することにして、あらゆる海語を拾い上げることが海洋総合辞典の「総合」の意味するところであった。 出会うあらゆる海語を拾い上げ、それを英西仏葡語で何というのか、それを丹念に調べながら、海語を紡いでいくことにした。語彙の文例も 増やして行きたい。また、その語彙の簡潔な註釈をも付けたい。このような語彙拾いを基点や起点にして 「辞典を編む」ことが辞典づくりの醍醐味であり、また根幹をなすものである。

  「海語」の数は想像できないくらい数多にのぼることであろう。海語の「大海」は無限的な広がりをもつと言える。 語彙の数量的な達成目標を設定することは、非現実的であるように思われた。語彙の数量的目標の設定ではなく、常に最大限の「外延的拡大と増大」 を目指すことになる。海洋辞典づくりでは、海のありとあらゆることに関心をもちながら学び続け、その語彙拾いの過程を楽しむこと にしたい。語彙数も、また語彙拾いそのものも無限的な広がりをもち、故に辞典づくりの楽しみも無限的に広がることを意味する。 語彙数は無限大に存在するが故に、その伸び代もまた無限大である。それが何よりも嬉しい。

  語彙のごく大雑把な学術的分類としては、自然科学系、社会人文科学系、工学系のジャンルが考えられる。 自然科学系の分類としては、例えば、海洋に最も深く関わる中核的領域として、海洋学(海洋研究)、海洋物理・海洋化学・海洋地質学、 海洋生物があり、海洋の生態学・環境学、気象学、水産学・養殖、魚貝類の食品安全など極めて幅広い。海洋生物学の中分類としては、 例えば脊椎動物、軟体動物、甲殻類、海洋性哺乳動物、プランクトンなど。海洋性哺乳動物の小分類として鯨類、さらには歯鯨と鬚鯨がある。 ジャンル的にどんどん細分化される。そして、大分類の諸学やそれらの下位にある細分化された学術的中小分類の外延的境目は曖昧模糊になら ざるをえない。

  社会人文科学系としては、国際海洋法学(海洋法制論)を筆頭に、海でのさまざまな人間の営みに関わる領域として、海運学、航海学 (船の運用学)、漁労・漁業経営や経済、海上保安・海洋安全保障、海洋地理学など。その他、釣り・遊漁もある。 工学系としては、海洋工学、沿岸工学、運河・水路や港湾の建設土木、波力・潮力・温度差などの海洋エネルギー開発、船舶工学・造船などが 代表的なものであるが、語彙は多分にジャンル間で相互にオーバーラップしている。 「総合」の意味は、その語彙が社会人文科学・自然科学・工学系であれ、海語であれば全て網羅したいというものである。だが、現・海洋総合辞典は 「総合」という名に値するものとなっているのか。真に「体系的」で「総合」的なものであると言えるのか、自省した。名実ともに「総合」辞典 であることをめざし取り組んでいきたいと改めて思い直した。

  海語はどこにでも「転がっている」。海にまつわる諸学の基本書を紐解けば、海の語彙がそれらの概念や理論と共に無限的に広がっている。 社会人文・自然科学系や工学系のいろいろなジャンルの日本語の論文・雑誌記事、一般図書、専門書を読み、その都度語彙を拾い、その語彙が定義される ところをひも解き、理解し、辞典に編むことになる。日本語において海の語彙とその意味や概念・理論を理解していることは先ずもって大切な ことである。英西仏葡語などの外国語の論文・雑誌記事や専門書などを読み、それらの語彙を日本語で何と言うのかを解きほぐそうとする時、大いに 役立つことになる。

  出来る限りさまざまな海洋関連分野の日本語、英・西・仏語の文献を読むことによって、概念や理論の理解と並行して、語彙拾いにつながる。 分野やテーマ、そのサブテーマに沿って代表的な入門書や基本書、あるいは教科書を一冊でも丁寧に読み解くには相当の労力がいる。だが、そこは じっくり読み解き、論述内容を理解するとともに、語彙拾いを楽しむことを理想としたい。日本語で読んでも、英西仏語などの文献を読み解いても、 語彙拾いや辞典づくりの世界が広がるだけでなく、海に関するさまざまな複合的、学際的知識や知恵も広がっていくことになる。 海語の大海は無限大に広がっている。海洋辞典の伸び代が限りなく広がっていることを意味している。さらに思索のための視座を育み養い、 新たな知的冒険へとつながる。

  何から語彙を拾うのかと訊ねられたとすれば、ありとあらゆるところに存在すると答えたい。大学や国公立の図書館はもちろん、 海事関係公益法人や海洋・漁業・港湾などの博物館の図書館・図書室にはさまざまな一般・専門図書、学術定期刊行物などが揃っている。 インターネットも情報の宝庫である。ネット上では海洋、水産・漁業・養殖、環境、航海、船舶、港湾、ヨット、遊漁、海運 などに特化したオンライン用語集などを検索することができる。勿論、それらのアナログ辞典・用語集も情報源である。 新聞でもテレビでも海洋、水産、航海などに関連するさまざまな切り口の記事や番組を毎日のように見かける。新聞とネットは 海にまつわる情報への入り口である。魚貝類の新種の発見、博物館の海洋関連企画展情報、海底考古学的発掘、海洋科学技術や 海洋調査の最近の動向、深海底資源の採鉱や商業化、波力発電の最新技術など、さまざまな海洋関連情報に触れる「窓口」でもある。 海のことを学び語彙拾いを楽しむためのアナログやデジタルの媒体・材料はありとあらゆるところに存在しており、無限的である。 先ずは日本語で海語を丹念に拾い上げ、英語あるいは西仏葡語で何というのか、いろいろな手法と媒体を通じて調べ、語彙を紡ぐことで 辞典づくりをもっと深く楽しみ続けたい。時と場所を選ばず、あらゆる媒体を通じて未知の海語に出会うことを楽しみたい。

     人工知能(AI)の時代と称されて久しいが、海洋辞典がその人工知能にとって一つの究極的な「原典」になるにはどうすればよいのか、 「原典」になりうるのか、それを模索しながら、辞典を進化させていきたい。そのためにできることと言えば、日本語や英西仏語のさまざまな文献を読み解き、語彙拾いを楽しみ 続けることに尽きよう。頭を柔軟にして、海にまつわるいろいろなことに関心をもち続けることで、海にまつわる語彙拾いにつなげたい。

  先ず、海洋辞典が扱う対象言語であるが、当初アルゼンチンで語彙拾いの対象としたのは、基本的に日本語、英語、スペイン語の 3ヶ国語であった。具体的には英和・和英、西和・和西の用語集であった。だが、3年後に帰国してまもなく、思い立って、フランス語を対象言語 にして仏和・和仏用語集を編むことにした。大学時代の第二語学専攻がフランス語であったことから違和感はほとんどなかった。また、フランスによる 海洋研究調査や海洋科学技術開発での取り組みは活発であり高いレベルにある。また、国連の公用語でもあったので、その用語集にも 取り組むことにした。新規の用語集づくりに向けて最初の一歩を踏み出すのには想像以上のエネルギーが必要であったが、 「千里の道も一歩から」の思いをもって足を一歩前に踏み出した。そして、1995年過ぎにネットの世界に運よく出会った私は、 オンライン海洋辞典づくりに没頭し始めた。その頃には、辞典の対象言語は和英西仏の4ヶ国語となっていた。

  また、パラグアイ在任中(2000~2003年)、度々ブラジルに旅し、ポルトガル語に興味を持ち出した。当時ブラジルに専門家として赴任して いたJICA入団時の元同期に再会し、彼から要らなくなったポルトガル語辞書と語学読本を譲ってもらい、学ぼうと決意した。だがしかし、その 試みは見事に挫折した。ポルトガル語を対象言語にできたのは、JICAから離職してからのこと になってしまった。離職して7年後の2018年に夢がかなって、ポルトガルのリスボンへ旅することができた。リスボンやラゴスの海洋博物館や、 エンリケ航海王子の航海士養成学校のあったロカ岬の他、セントヴィンセント岬などを訪ねたことが、その取り組みに向けての大きな弾みとなった。

  結局のところ、対象言語をこれ以上広げるのは余りにも荷が重すぎるし、また中途半端になることを深く憂慮して、和英西仏葡の5か国語に 集中することにした。もちろん、英西仏葡語の対訳は日本語である。海洋生物の和名の対語であるラテン語名は別にして、対象言語数をこれ以上 拡大させず、5言語に絞り込むことで「選択と集中」を行なうことにした。一般論としては、言語数が多いほど有用であり、多いに越したことない。 世界で多くの人口によって使用される中国語、インドネシア語、ロシア語の海洋辞典も想定されるが、それらにチャレンジする能力も余力も 早い段階から消え失せてしまった。ネガティブになることは避けたいが、一人で取り組むには荷が重た過ぎて押しつぶされそうになった。 中途半端に終わるのを恐れた。未来の編纂者によるチャレンジに託せるものであれば是非ともそうしたい。実現すれば素晴らしいことである。その 実現によって、海洋辞典としてのコンテンツの質量が「進化」し有用性が高まることになれば、こんな素晴らしいことはない。

  さて、辞典づくりについて、完全離職後是が非でもやりたいこと、やらねばならない重要なことが幾つかあった。これまで辞典づくりで手を 広げ過ぎたためにコンテンツの「選択と集中」をいかに図るかということ以前の問題であった。第一にやりたいことは、先ず、英和、西和、仏和、葡和 辞典について、内容的にも表記的にも適切かどうか、とんでもない思い違いの誤字脱字などがないか、最初から最後まで包括的な見直しすることで あった。これを完了せずして、次のステージに本格的に歩を進められないことがあった。その完了には一年近く要することになった。

     トータルレビューに次いで取り組んだことは、英和、西和、仏和、葡和辞典の「和語化」、すなわち和英・和西・和仏・和葡辞典づくりであった。 英和、西和、仏和辞典などの語彙数は着実に増え続け「進化」しつつあったが、その逆の和英、和西、和仏辞典については、幾ばくも進んでいなかった。 それ故に、先ず英和や西和辞典などにおける全ての見出し語と、日本語の対訳・文例などを反転させて、和英や和西辞典を最初から最後まで作成し、 それらの原形を作る必要があった。例えば、英語の見出し語の「manganese nodule」や「ocean thermal energy technology (OTEC)」について、 対訳の「マンガン団塊」、「温度差発電」を見出し語にし、その対訳を「manganese nodule」、「ocean thermal energy technology (OTEC)」 とし、その評釈などを綴るという作業である。何万語という語彙について見出し語と対訳の語順を反転させて、和語化するというものであった。

  最も悩んだのは、見出し語とその対訳について反転させるのはよいが、その見出し語から派生する多くの熟語や例文などを同じく反転 させるかどうかであった。オンライン辞典としてどう表記すれば、利用者はそれらの熟語や関連語を検索しやすいかということである。 いろいろな試行錯誤を繰り返しながら、どう並べるべきか模索し続けた。基本的には、熟語・関連語・例文とそれらの対語は反転させず、 そのままアルファベット順に並べ検索しやすくした。そして、それらのヘッドには、「/」や「・」を付して見やすくした。 当然ながら和英・和西・和仏・和葡の4辞典につき、表記法の統一を図った。現在のオンライン海洋辞典において採用されている表記法そのもの である。これらの4辞典を一通り作成し終えるのに数年を要した。さらに、4辞典の全ての語彙について内容や表記的に適切か、万一の 誤字脱字はないかなどの見直しと表記の統一のためにさらに1年ほど要した。かくして、海洋辞典は、英和・和英、仏和・和仏、西和・和西、 葡和・和葡の合計8つの辞典となった。

  次いで、取り組み目標としたのは、それらの8海洋辞典を当座のベースに据えながら、分野別(ジャンル・テーマ別)の海洋 用語集づくりに取り組んだ。いかなるジャンルやテーマ、あるいはそのサブ・テーマをもって用語集を作成するか、いろいろと検討を重ねた。 結果、「船と航海」、「海運と海上輸送」、「海洋自然科学(海洋学&海洋工学)」、「海洋社会科学」、「漁業・養殖全般」、「海洋 レジャー&スポーツ」、および「その他」の7つの大分類とした。その下に中小分類化することにした。 具体的には、例えば「船と航海」の大分類では、船舶のいろいろ、錨、ロープ類、艤装、航海・運用、帆、マスト、帆走などのサブテーマで関連用語集 を作成してきた。「海洋自然科学」では、海洋物理、化学、地質、海洋エネルギー、海洋地理などの中分類での作成途上にある。 海洋生物に関する学術名なども分野別用語集の範疇に組み入れた。

  現行の分野別辞典の目次・項目建ては実際のオンライン海洋辞典のとおりであるが、8辞典につき全ての大中小分類用語集づくりが完了した わけではなく、テーマによっては何の十分な用語集もできない状況である。 それでも、離職後における新たなチャレンジとして一年ほど取り組んだ結果である。伸び代は誠に無限大といえよう。 理想のコンテンツとしては、8つの海洋辞典につき、同じような内容とレベルの大中小分野別用語集の骨組を作り、その後は徐々に「進化」させる ことである。辞典づくりの中核は8つの辞典であるが、もう一つの中核として8つの分野別用語集としたい。 つまりコンテンツの中核をなすのは5か国語の8海洋辞典、加えてそれらのジャンル別の語彙集とすることにした。

  かくして、最初に取り組んだ「選択と集中」による見直しの結果として、和英西仏葡語の5言語について、8つの海洋総合辞典づくりに集中し、 さらに8つの分野別海洋辞典を新機軸として作成していくこととした。そのどれ一つ取っても1、2年で完了するものではないが、少しずつ 「進化」させ、それらの実用性、利便性を高めると共に、究極の目標として「原典」を目指して行きたい。

[Edited 2020.12.30]-->

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    第16章 「自由の翼」を得て、海洋辞典の「中締めの〝未完の完"」をめざす
    第3節 2020年を目標年にして海洋辞典の「中締めの未完の完」をめざす


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      第16章・目次
      第1節: 嘱託として「健康管理センター」に勤務する
      第2節: 東日本大震災、早期完全離職の決断を後押しする
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